銀座で発生した矯正歯科事件について(アライナー矯正について)

矯正歯科にまつわる事件の発生

銀座の歯科で発生が伝えられている矯正歯科をめぐる事件についてですが

アライナー矯正をモニターと称してキャッシュバックで実質無料をうたい

感者さんから180万円もの高額な治療費を納めさせて

治療途中で医院を閉鎖して逃げてしまったというもののようです。

インプラントの時もそうでしたが

あのような事件が起こると

とばっちりで患者さんが治療に躊躇するようになってしまうという現象があります。

事件は事件なのですが

取り外し装置を使うという点で

機能矯正とアライナー矯正を混同される方もいるかもしれませんので

この機会にアライナー矯正についてお話ししようと思います。

また被害に遭われた方には大変気の毒に思います。

事件の一日も早い解決を願っております。

 

アライナー矯正またはマウスピース矯正とは

以後は用語をアライナー矯正に統一させていただきます。

事件は矯正治療の基幹と関係のない詐欺まがい事件と思われますが

あれはアライナー矯正という

透明なカバーを歯に合わせて作りそれを3Dプリンター上で少しづつ動かして制作し

定期的に交換していき矯正治療をするというものを悪用したものです。

まずお知りおきいただきたいのは

アライナー矯正と機能矯正は乗ったく別物ということです。

アライナー矯正と機能矯正はどちらも脱着装置を使用しますので

似ているかな

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが

機能矯正の場合は多種多様な機能矯正装置を駆使して

骨格のゆがみを治すことを目的としています。

一方アライナー矯正で治せるのは

歯の歯列の乱れのみです。

ということは

機能矯正でも歯列矯正に取り掛かる第二段階では

使える場合もあります。

がそれは機能矯正治療の部分であって全体ではありません。

アライナー矯正の一つの欠点と言えるのは

症例によって使用するアライナーの枚数が異なる

ということです。

インビザラインの仕入れの料金形態はよくわからないのですが

一般的に一枚当たりいくらという技工料金が発生します。

したがって本来であれば

アライナー矯正の治療費は都度見積もりになるはずですが

今回のように最初にいくら

で決まっているところも多いようです。

アライナー矯正の料金

因みに今回の事例では一件当たり180万円と非常に高額だったようです。

また都度設計をするもの以外は

初診模型を基に治療計画通りのアライナーを一括制作してしまい

一度に納品されてきます。

それを二週間から一か月で交換していくわけですが

人間の体に絶対はありませんので当然

途中で計画通りにいかなくなる場合もあります。

治療期間のアライナーが10枚を超えると途中で

計画の見直しが必要になる場合が多いと言われています。

180万円と言う高額な場合おそらく再設計の料金も

見込まれたものなのでしょうが

では枚数が少なくて終わった場合はどうなのでしょう?

アライナー矯正で気を付ける点

まあ今回は治療本流とはある意味無関係な

詐欺行為のように思われますが

もしかするとあまり矯正経験のない先生が

安易に治療に着手して途中で手に負えなくなって逃げたのかもしれません。

アライナーの場合

装置の設計と治療計画はメーカーがやってくれますから

誰でも簡単に矯正治療に着手することができ

計画通りに進捗すれば格好はつきます。

しかしながら一度行き詰るとかなりの経験がないと

にっちもさっちもいかなくなります。

アライナー矯正はドクターの見極めを極めて慎重にしないと

費用と時間をかけてちゃんと治らないという事態になる場合があるでしょう。

また直接口の中をいじらないため

やりっぱなしで逃げてしまうこともできなくはありません。

わたしがアライナー矯正を積極的にやらないのは

まずそれだけで治せる症例は限られているということ。

それから原価が計算しにくくイレギュラーの技工代の発生が予見しにくいこと。

それと何といっても時間がかかる割に治り方が甘いという点です。

後半治療でアライナーを使うことはできますが

費用が当院の決めた額より下回ることはまずありません。

そのうえワイヤーとプラケットを使えば一か月で治るところ

アライナーは三か月かかると思っていただいていいとおもいます。

最近では様々な理由からアライナー矯正が流行っています。

また症例を重ねているためにベテランの先生も生まれており

中にはかなりの難症例でも治しきれる方もいるようです。

当院でもどうしてもというご希望なら対応てたしますし

いざやれば治しきれます。

機能矯正装置との併用になりますが。

どう治すのかどう治るのか

今回の事件は矯正治療とは本来関係のない

詐欺まがい事件だとは思われます。

ただ実際に治療がスタートしているということを考えると

犯罪の立件は難しいかもしれません。

思うのですが

こと矯正治療となると

どう治るのか

ということよりも

どう治すのか

ということに注意が向きがちになるようです。

確かにブラケットはつけているのは大変だと思います。

機能矯正装置だけで治ればいいのに

と思うこともしょっちゅうあります。

いかしブラケットを着けていても

その期間はしばらくの間です。

問題は治療が終わった後

どう治ったのかということなのではないでしょうか?

長い人生で言えば矯正治療が終わった後の時間のほうが

圧倒的に長いからです。

そして私にお任せいただければ

きっとあの期間頑張ってよかったと思っていただける

治療結果を出せると確信しています。