子どもの矯正何をいつ始めるか?

今までの矯正では3番が出るまで待つのが常識だった

矯正歯科の常識とは

子どもの矯正と言うと犬歯が生えてからするものと言うのが

昔の常識でした。

ところがこの考え方だと「歯並びを悪くして」から

歯を並べると言う方法論となります。

確かに歯並びを治すならこの考えも間違いではありません。

しかし治すべきは歯並びだけなのでしょうか?

矯正治療は8歳まで待てはどうなの?

犬歯が生えるのは早くて8歳くらい。

上顎の犬歯は永久歯のいちばん最後に萌出すると言われていますから

すでにめちゃくちゃな歯並びになっている子をみすみす何もしないで

放置すると言うことになります。

子供の矯正では何を治すのか?

なぜ歯並びは悪くなるか

ここで考えなくてはいけないことは

なぜ歯並びが悪くなるかと言うことです。

歯並びが悪くなるのは本質的には

歯が並ぶ顎の骨の大きさと歯の大きさがアンバランスだからです。

歯の幅径の総和より顎の骨の大きさが小さければ当然歯は真っ直ぐに並ぶことはできなくなります。

これはすべての矯正理論に通じています。

歯並びより大事なのは呼吸

また、子どもの矯正では歯並びより大事なものがあります。それが呼吸機能の改善です。

不正咬合のタイプにもよりますが

子どもの不正咬合は口呼吸を伴う事があります。

またこの状態をセファロレントゲン写真で見ると

気道と言う呼吸をする時に空気の通る管が極端に細くなっている場合が多く見られます。

以前の記事でも述べましたがこの状態を長く続ければ身体的のみならず脳の発育にも悪影響が出てきてしまいます。

この観点から言うなら機能矯正を始める時期は早くて早すぎることはないと言うことになります。

実際3〜6歳で機能矯正治療を始めた方は私の記憶では軒並みたいへん良くなって

元気な中学生として勉強や部活です活躍されていました。

 

機能矯正とは歯並びが悪くなることを未然に防ぐものである

歯並びは生える前に改善するべし

機能矯正では歯並びが悪くなることを未然に防ぐ

ということを本質としています。

つまりもともとの骨格を歯が並ぶために十分なおおきさに育てることができれば

歯並びが悪くなることなしに育つことができるようになります。

当然呼吸などの機能も正常な状態を保ちつつ育っていくことになります。

犬歯が出るまで待って8歳9歳まで呼吸を改善しない状態でいれば

6歳以前からしっかり脳に酸素が送り込まれていた子とは

ほとんど致命的とも言える差がついてしまうでしょう。

大人になってからは顎骨の大きさを取り戻すのは難しい場合もある

 

もちろんすべてうまくいくというわけではありませんし

歯だけが大きすぎるということもありうるわけです。

しかしながら歯が大き過ぎるのは後からなんとかなります。

顎の大きさの回復は大人になってしまったら簡単にはできません。

機能矯正で一番大事なものは分析

何をすべきかを知るために

機能矯正で分析を重視するのは

何をどのように育てると健康な顎顔面が回復できるのかを

きちんと調べ何をするべきかを明確にするためです。

育てるべきところは育て抑制するべきところは抑制する。

それが的確にできるためには分析は欠かすことができません。

ただし3歳児では後日分析となる場合もある

例外的に最少年齢の3歳から機能矯正を始める場合

体を自分でレントゲンを撮影ための固定することができないと判断し

なおかつ機能矯正治療を必要と考えるに足る充分な所見がみられる場合

まず装置を使ってもらい6歳くらいまで育ってから分析を行って

治療の評価とそれ以降の治療計画を立てるという場合もあります。

充分な所見とは

左右非対称な場合とクロスバイトつまり歯の食い違いがあるばあいです。

これは早く解決しないと顎がゆがんで育って行ってしまうので

分析ができないならとにかく有視界飛行でも障害を排除し

なるべく正しい成長のラインに乗せてあげることが必要になってきます。

成長のフェアウェイ

フェアウェイをキープせよ

今正しい成長のラインと言いましたが

この成長のフェアウェイをキープすることが

機能矯正の最も重要な使命だと考えています。

使ってもうまくいかない装置もある

ある装置補使えば本来の成長を超えて拡大をしていくこともできます。単純な拡大床矯正と呼ばれているもので

子どもの矯正を相談したことのある方は一度や二度は出会しているのではないでしょうか?

拡大と言う要素は確かに機能矯正でも重要な要素ですが

単純に横に広げても問題は解決しません。

広げれば治るだろうと広げているうちに

フェアウェイを遥かに超えてしまったなどと言うのを何例も見ています。

一度過拡大してしまうと元に戻すのが不可能なケースもあります。

フェアウェイをキープするためには何がフェアウェイかを見極める力も必要になりますし、これは意外に難易度の高い技術と言えると思います。

正解は見えているか

ですから健康な成長を促していくには

その子にとっての正解を常に念頭に置いていくことが不可欠と言えます。

それと重要なのは

何をするのかが見えたところで

そこに向かっていける「適切な装置」が必要だということです。

子供の矯正は矯正専門の知識や技術が無くてもできる

と嘯くコンサルタントの暗躍でろくろく聞かない装置を数年使わされて

貴重な時間を無駄にしている患者さんがおられるのはとても残念なことです。

効く装置というのは

まずその子に合わせて作られたオーダーメイドの装置であること

そるからしっかりとしたアクリル樹脂で噛んだ時に硬質なフィードバックがある装置

ということができると思います。

 

さて今までの話をまとめてみると

では結局いつ何をはじめるのか

いつ何を始めるかまとめ

機能矯正を始める時期は

やりたいと思たとき6歳ぐらいで始めるのが

一番効果が上がりますが明らかなクロスバイトや左右非対称がみられる場合は

3歳からでも早すぎない、ということです。

そしてしっかりとした診断とオーダーメイドの装置を使用して

しっかりと成長を促進していくということがなにをするのかということになりましょう。

そして私の夢

私の夢は

私の機能矯正で日本中に

「元気なイケメン男子」と「優秀なキュート女子」がいっぱいになることです。

あなたの子供さんにもその第一歩を踏み出させてあげてください!

 

機能矯正で頬こけを治す

今回は実際に頬こけを機能矯正で治した症例についてお話ししようと思います。

このブログをやりだして気が着いたのですが

「頬こけ」と言うワードは皆さんにとても響くワードのようです。

私はいつもかみ合わせを治すことによって諸種の健康を回復することに夢中になっているので顔貌の改善は結果として付いてきているので意図的に顔を治しているわけではありません。

しかしながら機能矯正を誠実に実行していると頬こけが治っている症例を良く見かけるようになっています。

「頬こけ」に関して皆さんの関心の深さには最近夙に驚かされているところであり

機能矯正治療では必然的に起こる治療結果ですが

こんなにお悩みの方が多いのであればさらに研究を進める必要があるのだろうと

認識を新たにしているところです。

最近来られた患者さんでも抜歯矯正の頬苔を含む後遺症に悩まれ

初診時には涙ぐまれていた方が

当院の機能矯正治療で回復されて会心の笑顔を見せていただいたとき

術者としてもとても感慨深いものがありましたし

こんなに苦しまれていたんだと自分の仕事の意義について改めて考えさせられました。

「頬こけ」の改善も機能矯正の一つの使命として取り組んでいこうと思っております。

そこで今回は症例を振り返りながら

頬こけの原因となんで私の治療で頬こけが治ったのを検討してみたいと思います。

 

抜歯矯正の頬こけを機能矯正で治した症例

この方は先ほどの方ほどはっきり頬がこけているわけではありません。

何故かと言うと

まだ矯正治療が途中だからです。

治療の途中で具合の悪いものは最後まで頑張っても治らない

3番が4番の位置までキックバックされているのが分かると思います。

この時点であまりに具合が悪いので思い余って当院を訪ねてこられたのですが

もし前歯がリトラクトされていたら

さらにひどい頬こけを起こしていたでしょう。

先ほどの方のように再起不能級の障害が起きたかもしれません。

また、ここで矯正医に具合か悪いことを伝えると

たいていの場合

「治療が最後まですめば(スペースを完全に閉じてしまえば)すっきりと良い顔立ちになって不快症状も改善する」と言われます。

どう考えても嘘ですよね

このような歯列の状態でさらに前歯を後方に閉じようとしていたわけですから

身体に良い訳がありません。

リカバー治療で頬こけも全身状態も治った

この方は幸い完治できました。

頬こけと言うより

肌の色つやが別人のようです。

 

 

何とかきれいにまとまりましたが

正直抜かない状態から治したかったと言うのが本音です。

抜かない状態から治せば

最後に少し残ってしまった頬こけも起こすことはなかったと思います。

 

初診の状態で頬こけだった症例

真正の頬こけを治した例

 

さてここまでは4抜歯による頬こけでしたが今度は

真正に頬こけ

を治した例について述べたいと思います。

まだ若い方ですので目立たないと言えば目立たないですが

こうしてみると頬こけを起こしています。

下口唇の下側に鋭角なくぼみができでいます。

これは上顎前突の方の典型的なものです。

頬こけを起こす上顎前突

この方の頬こけの原因は

 

実は狭窄歯列による上顎前突なのです。当然狭窄歯列では頬がこけます。

歯を治せば頬こけも治るわけです。

 

上顎前突の治療で頬こけも改善した

 

 

狭窄歯列は改善しました。

お口の中が広くなって快適に暮らせるようになります。

横顔を見ると先ほどの下口唇の下側の窪みは消えています。

 

頬はふっくらとして頬こけは改善しています。

 

このような治療は機能矯正の最も得意とするところです

 

素敵な笑顔と出会えるのが機能矯正の喜び

 

このような笑顔が見たくて

機能矯正に精進していると言っても間違いないと言えます。

 

検索を逆引きすることにより

「頬こけ」に悩んでいる方が意外とが多いと言う事を知りました。

私にお任せいただければめ

たいていの頬こけはこのように治すことができます。

会心の笑顔で笑ってみたい方は一度お尋ねください

子供の成長に悪影響があり意外に見落とす出っ歯

意外と気にならない子供の出っ歯

お子さんの矯正相談で一番典型的なのは反対咬合です。

これは不正が分かりやすくお子さんが反対咬合の場合親御さんはあわててご来院になります。

しかし過蓋咬合つまり上の前歯が下の前歯をしっかり覆ってしまっている場合はどうでしょう?

上の前歯がしっかり見えていると反対咬合のように極端な違和感がないため

それが異常だということになかなか気が着きません。

それでは健康面への影響はどうでしょうか?

咬みあわせが健康に及ぼすもっとも大きな影響は呼吸です。

反対咬合の場合見た目は悪いですが実は下顎が前進していることによって

気道が開いている場合が多く呼吸にはあまり影響がない場合が多いのです。

ただし極端な上顎発育不全に伴う反対咬合では

やはり呼吸に問題が起こりますが。

 

極端な下顎後退です。下の前歯はほとんど見ることができません。このようなお子さんは早めの来院をお勧めします。

 

下顎後退(出っ歯)は呼吸に悪影響がある

 

下の前歯が見えないほどの過蓋咬合では下顎が後ろに押しやられていることが多く

下顎が後ろに追いやられると気道がつぶれてしまって呼吸がしにくくなってしまうのです。呼吸が苦しい子の呼吸の様式には一つの特長があります。救急蘇生のABCと言うのがありますが一番に来るAとはエアウェイ気道の確保、になります。

具体的にどうするかと言うと下顎を前方に引っ張り出すのです。

意識が落ちると筋肉が弛緩して下顎が落ちてしまいます。

この時舌も落ちる可能性があるわけですが、まず口の中を調べて遺物の除去舌根沈下があれば引っ張り出してさらに下顎も前に引っ張り出して空気の通り道を確保する。

その後B、ブリージング人工呼吸へと進むわけです。(ちなみにCは心臓マッサージ)

ですから下顎が後退していると言う事は空気の通りが悪いというのは

人間の解剖学的な特徴なのです。

 

下顎後退は口呼吸になりやすい

 

下顎後退している人が口を閉じていると気道がつぶれてしまって苦しいので口をあいて口で呼吸することになります。いわゆる口呼吸です。

呼吸の正解は鼻呼吸で

鼻と言うのは呼吸するための器官ですから呼吸に必要な機能が備わっています。

鼻から入った空気は鼻の入口でごみやほこりを取られます。鼻の入口は

エアフィルターの役割をしています。

その後鼻腔に送り込まれた空気は鼻腔内の繊毛でさらに細かい細菌などを除去され

さらに体温によって温度調整をされ加湿されてちょうど良い具合になって

気管に入ります。また鼻腔は適度な広さを持った空洞でここが呼吸チャンバーの役割をはたして空気の取り込みの効率が良くなるようになっています。

口にはこのような機能はありませんから

空気はストレートに口腔内を通過し口腔乾燥を引き起こしながら

乾いたまま気管、気管支を直撃します。

口腔乾燥を引き起こし入った細菌は繊毛によって体外に排出されることなく体内に取り込まれてしまいます。

ですから口呼吸の子は風邪をひきやすいのです。

 

口呼吸の子供は落ち着きがなくなる

 

このように口呼吸の弊害は広く知られているところですが

さらに重要なことに口には鼻腔と言う呼吸チャンバーは存在しないため

空気の取り入れ効率が悪く呼吸数が増加します。

呼吸数が増加すると心臓に負担をかけると同時に

その人の性格も変えてしまいます。

すなわちいつではハァハァと細かい呼吸を繰り返しているために

落ち着きのない人になりがちです。

子供の患者さんを診ていて思うのは

過蓋咬合のこどもは多動が多いということです。

しっかりした統計データーではないため確定的に言う事は出来ないのですが

矯正装置の調整に多動の子供だとそうではない子供に比べて

倍時間がかかるので体験的に過蓋咬合の子は多動が多いなと感じます。

当然多動で集中力がなければ学力に差が出るのは明白だと思います。

それに加えて口呼吸だと体に取り込める酸素量が違ってきますから

脳や身体の発育にいい影響があるはずはありません。

 

子供の機能矯正で成績が上がっているかもしれない

 

これも体験的なものなのであまりそうだとは公言できないのですが

機能矯正治療がしっかり終わった子は良いところに進学している

と思うわけです。

はじめたころは多動でどうにもならなかった子が

機能矯正を終わりバイオプログレッシブに入るころには

すっかり落ち着いてブラケットを着けさせてくれるというのはいつも体験しています。

そうなればしっかり落ち着いて勉強にも取り組めるのではないでしょうか?

この患者さんはバイオネーターによる治療を行いました。後半のバイオプログレッシブは希望されなかったため

前歯に隙間が残りましたが患者さんは満足されていました。ちなみに中学受験をされ志望の難関校に見事合格されました。

 

歯だけ治せばいいっもんじゃないと言うのが信条

 

下の歯が見えない子

つまり過蓋咬合とか2級咬合とか呼ばれる子は

頭が悪くなると確実に言う事はできないかもしれませんが

それをしっかり治療した子供が成績が良いと言う事は

実感として感じている。

これだけは自信を持って言えると思います。

子供の矯正と言うと何とか前歯を並べようとします。

乳歯にブラケットを着けたり

シリコンの既成装置を着けたりいろいろやられています。

〇〇シールドと言う装置も一見よさそうで

動くのは歯だけという欠点があります。

自分の考える歯科医療は歯を並べるだけにとどまらず

全身の健康を増進するものでなければならないと考えています。

機能矯正を受けていただいたお子さんが身体的にも学力的にも

しっかり成長されていることに

機能矯正医として歯科医としても喜びを感じています。

 

治療は糸切り歯が出てからって本当?

矯正科を受診して言われること

昔大学で矯正の講義を受けたとき
「不正咬合の予測はできないので糸切り歯が生えて確かに不正咬合だと分かるまでは治療できません。」と教授が言っていました。
その後機能矯正を手掛けてご相談にお見えになった患者さんの親御さんから
「糸切り歯が出るまで治療はできないと言われました。」とひどい狭窄歯列のお子さんをお連れになって言われることが良くあります。
この先生はきっととてもまじめで大学で習ったことが真実だと信じておられるのでしょう。

糸切り歯が出る前の状態は?

相談に来られたお子さんは糸切り歯はまだ出ていないのですが
2番のとなりに隙間なくぴったり4番が生えており
このまま放置しておけば側切歯の前に糸切り歯が生えてきてひどい八重歯になるのは見え見えでした。
一刻もはやく治療を開始したほうがいいですよ、とお勧めしたところ
治療をお任せいただいて間一髪八重歯になるのは回避できました。
実は八重歯は生えた後より生える前の方が圧倒的に治しやすいのです。

日本人は八重歯好き

もっとも日本の文化では八重歯を「かわいい」として喜ぶ風潮もあります。
たしかに日本人の丸っこい顔にちょいっと生えている八重歯は愛らしいと言えば愛らしいですね。猫がかわいいのはニャンと言った時に犬歯が一瞬八重歯で見えるのも一因かと思います。
また大食いクイーンの萌えアズさんは健康な歯並びなのにわざわざ付け八重歯を付けていることで有名です。
がテレビを見た感じでは正直あまり可愛い八重歯になっていませんね(苦笑)
治療は糸切り歯が出てからという矯正医の話に
あまり違和感を持たない人が多いのは、八重歯になったらなったでいい、と思っている人が結構いらっしゃるからかもしれませんね。

可愛い八重歯も歳しだい

しかしながら若いころは可愛い八重歯も加齢を重ねると歳不相応になってきます。
だいたい男性ではちょっと不審な感じになってしまうので八重歯は避けたいところです。

なにより清掃性が圧倒的に悪くて虫歯になりやすいと言う欠点を持っています。
やはり歯はちゃんと並んでいるに越したことはないと思います。

私の機能矯正で八重歯を治すと

もう一つ余談ですが
私の機能矯正で八重歯を治すと
なぜか八重歯のかわいらしさが残ったうえで歯並びが良くなるという効果が出ます。
これに関してはなんでそうなるのか、はっきりご説明はできないのですが
八重歯が可愛い人は糸切り歯の位置がそもそも可愛いところに生えているので
歯が並んでもその可愛さは変わらないと言う事なのでは、と思っています。
このような人に抜歯矯正をして糸切り歯を後ろに引っ張ると変な顔になるようです。

犬歯はいつ生えてくるの?

ところで犬歯はいつ生えてくるのでしょう?

年齢でいえばだいたい8歳くらいですが個人差はかなりあります。
また上下の生え方には特徴的な差があって
下の犬歯は乳臼歯の交換に先立って生えてきます。
上の犬歯は小臼歯の萌出が終わったのちに最後に歯列に入ってきます。
この時萌出スペースが足りなければ外に振り出されて八重歯になります。
つまり犬歯が出るまで待て
は防げば防げる八重歯をみすみす生えさせてしまうまで何もするな
と言っているともいえるわけです。

経験を積めば乳歯列から不正咬合を予見できる

さいきん自分はたくさんの患者さんを治してきたおかげと言いますか経験と言いますかで
乳歯列の状態を見たらだいたいどんな永久歯列になるか予測できます。

それと分析の数値を突き合せればどのようにしていったらどうなるか
つまりどう育てれば良くなるのかをみきわめ
不正咬合を防ぎながら健康な歯列に育てることができます。

ただしそれは機能矯正で成長を促しながら治療をしているからできるのであって
歯を並べることだけを考えているなら
そもそも並べる歯が無かったら並べることができないわけです。

糸切り歯が出るまで待てとはどうゆうことか?

さっき上の糸切り歯は最後に歯列に入ってくる
と述べましたが
要するに上の糸切り歯は永久歯で最後に生えてくる歯なのです。
つまり
「糸切り歯が出るまで待て」
と言う事は
「不正咬合を完成させてください」
と言っているのと同じことにもなるのです。
糸切り歯が生えて立派な不正咬合になったら4番抜歯をして歯を並べてあげましょう
というのが「糸切り歯が出るまで待つ」ということです。
ま、これはこれで一つの方法論ではありますよね。

糸切り歯が出るまで待つと治療はやりにくくなる

さてでは糸切り歯が出るまで待っているとどんな不都合があるのでしょうか?

まずは私が診ている限り
最も多い不正咬合の原因は上顎の発育不全です。
上顎骨は4歳で70%の成長が終了していると言われていますから
6歳で上顎発育不全が見られたら一刻も早く上顎に刺激を与えて成長を
促進しなければなりません。
8歳まで待っていればそれだけロスタイムになってしまいます。
それに不正咬合が重症である場合
永久歯の萌出は遅れる傾向にあります。
待っても待っても糸切り歯は生えて来ず
遂に埋伏してしまったと言う事例もあります。
機能矯正治療の本来の妙味を発するには
6歳から治療を開始するのが最も適しています。

機能矯正はドイツから始まった

伝聞ですがドイツの歯科大学の矯正科に行くと
小さな機能矯正装置がたくさん並んでいるのだそうです。

ブラケットは大きなマーケットである

歯が無ければブラケットは使えない

ブラケットで歯を動かして真っ直ぐにしようと思ったら
歯が無ければどうにもなりません。
じつは歯科業界での力関係はその分野がいくら儲けているかによって決まります。
矯正材料のメーカーは高価なブラケットを販売することによって多くの利益を上げており
それだけ歯科業界への発言力は高いと言われています。
矯正歯科の著名どころはみな有力歯科材料メーカーのスポンサーを受けており
その利益に反する発言はしにくいようです。

だから
とは考えたくないのですが
もしブラケットを使わずに歯が治ってしまったらメーカーは大打撃をうけるので
もしかすると発言に対して圧力をかけていると言う事も考えられなくもないと思います。

結局治療は小さいうちから始めるに限る

結論を言うと

適切な診断と両方を用いる限り
治療は小さいうちから行うのに越したことはなく
糸切り歯が出なくては治療ができない
というのは
「そのような治療法を取るならば」
と言う事だと考えるのが適切だと思います。

また機能矯正を適切に施術していくと
身体機能や知的な機能に好影響があることが多く観察されていますが
治療開始年齢が上がるにしたがってこの影響は薄れていくことも観察されています。

子供さんの歯をきちんと成長させたいと思われるなら
早めにお出でになることを強くお勧めいたします。

抜かない矯正でゴリラになるって本当?

抜かないと出っ歯になるはお決まりの脅し文句

 

抜かないと出っ歯になる
抜かないとゴリラ顔になる
抜歯矯正を受けたまたは相談に行った方は一度はこの決まり文句を聞かれたことがあるのではないでしょうか?

 

当院の患者さんは一人も出っ歯になっていない

当院で矯正治療をされている患者さんの一割程度は抜歯矯正の不調を訴えた方の再治療です。
皆さん言われるのは説明を受けた際に「抜かないと出っ歯になってゴリラのような顔になる」と脅されたそうです。
ところで当院の治療例の方は全員抜いていないのですが出っ歯になっているでしょうか?
うまく行った人だけを出している?
疑問に思うなら残りすべての症例をお見せしますからどうぞおいでになってください。
当院の症例で抜かずに出っ歯になった人は一人もいません。

そもそも私は矯正嫌い

私はもともと矯正と言う治療に懐疑的でした。
というのも歯科医になってから矯正治療後の患者さんを何人も診たのですが
みなさん何かしら矯正をしたと言う事による不具合を抱えておりました。
これならもともとの歯並びの方が良かったんじゃないか?
いつしかそう思うようになりました。

 

矯正しないと歯が無くなっていく

しかし臨床を重ねているうちに
歯並びの悪い人は中年期以降どんどん歯が無くなっていく、と言う事に気が着きます。
補綴をやってみると分かるのですが歯ならびの悪い人の前歯に前装冠をいれると咬みあわせの調整にものすごく時間がかかります。
模型上でどんなに良く調整しても口の中に入れるとなぜだかわからないけど高くて咬めないのです。
つまり歯並びの悪い人では咬みあわせ軸が多方向に発生し制御不能な不正な力が
歯に入り続けてしまうのだろうということが推測されました。
歯並びが悪いのも個性のうち
なんて考えていたのですが経験を積むとやはり歯は補綴学的に正しい位置にあるべきだ
と考えが変わってきました。

 

何故かうまく行っていない矯正治療

しかしながら学校で習った4番を抜いて矯正をする
という手法で治療した患者さんがみな正しいかみ合わせになりハッピーに暮らしているかというと「そうでもないぞ」というのが臨床していての実感です。
何がダメなのかに関しては以前の投稿で詳述してありますのでそちらを見ていただくこととして
実践面では口の中で二か所だけ動かしてはいけない
あるいはこれだけは正しい位置になければならないアンカーのような歯があるのではないかと考えていました。
それは3番つまり糸切り歯と6番、第一大臼歯の二か所です。

 

八重歯は天性の授かりもの?

不思議なことにひどい八重歯の人を治す時に飛び出している糸切り歯は歯列からは飛び出しているもののお顔の状態を見るとちょうど良い位置にある人が殆どと言う事に気が着きました。八重歯がかわいいのはこのせいだと思われます。
またよほどのことがない限り
6番つまり第一大臼歯は良い位置に萌出していると言う事にも気が着きました。
たまに異所萌出していることがありますがこれは超難症例になります。
つまり6が正しい位置にあることを確認すればあとは3を基準に歯列を整えるときれいなかみ合わせが完成することとなります。

糸切り歯を動かさなければ出っ歯にならない

言うのは簡単ですが実践するのはとても大変ですよ。

そこをうまいことやり切るのが機能矯正の妙味なわけです。
この基準で治す限り抜かなくても出っ歯になることはありません。
良く歯並び咬みあわせは生まれ持ったものと言われることがありますが
私に言わせれば「糸切り歯こそ、その人の個性」なのです。
ですから仮に4を抜いても糸切り歯の位置が変わらなければ何も問題は起こりません。
4をぬいて糸切り歯を後ろにひっぱるから不快症状がおこるのです。
逆に4を抜いたスペースを作るために3を前に送り出せば
当然出っ歯になります。またゴリラのような顔になります。
抜かないと出っ歯になるは一面真実でもあります。
それは「そのような矯正をしてしまえば」という前提条件のもとです。
「抜かないと出っ歯になると言うのは嘘」
と書きましたが正確に言うなら
「私が矯正すれば抜かなくても出っ歯にはなりません」
と言う事です。

6番を後ろに送ってしまう「非抜歯矯正」

一般に「非抜歯矯正」と言うのは6番を遠心移動
つまり後ろ側に送り込んでスペースを作ると言う手法を取ります。
これはアメリカで開発された技術なのですが
白人の顔と言うのは前後方向に長円形をしています。
つまり前後方向に大きさの余裕があるから6番を遠心移動つまり後ろ側に送り込んでも
問題は起こりにくいのですが
日本人の顔はまん丸でしかも上あごは計測してみると小さい人が大変多いのです。

4抜歯より予後の悪い非抜歯矯正

先ほど6番と3番は動かしてはいけない
と言いましたが
最悪なのは6番を過剰に後ろに移動してしまう事で
しかもその前はそもそも小さすぎるわけですから歯はならんだとしても
とても奇妙なお顔になります。
ちなみに4抜歯矯正の再矯正はようやく最近できるようになりましたが
6番を後ろに送ってしまった矯正の再矯正は
いまだ手法が見当たりません。

 

3を前に送ればゴリラ6を後ろに送ればカッパ

いぜん非抜歯矯正の権威が業界雑誌にケースを出していましたが
どの患者さんも何故か「カッパ」のようなお顔になってしまっていました。
また最近着手した患者さんが非抜歯矯正の医院で症例を見せてもらったところ
「なんだか出っ歯になっていて」
と当院に来られた方がいました。
つまり普通の着想で非抜歯矯正をすれば
ゴリラになるか、カッパになるか
この二つの選択肢となるということです。

 

機能矯正ではゴリラにもカッパにもならない

機能矯正ではこのどちらも起こりません。

なぜなら私の機能矯正はそもそも着想が違うからなのです。

同じなのは
はを真っ直ぐにするときに使うブラケットだけ
とも言えると思います。

3番と6番を正しい位置に導き
歯をきれいに整えると
ホームページでご紹介している症例のようなとても柔らかい良い表情の笑顔が生まれるわけです。

頬こけが治る機能矯正

女性にとって「頬こけ」は深刻な問題のようです。

確かに頬がこけていると表情が暗くなりますし

どこか貧相な顔立ちになってしまいます。

ご相談の割合から言ってもかなり多く見られますので

機能矯正で頬こけは治るのか

について考察してみようと思います。

 

頬こけはなぜ起こるか

 

なぜ頬こけになるのか?

頬こけにもいくつか種類があります。

上顎の狭窄歯列

一番多いのは上顎の狭窄歯列です。

この場合前歯の前突感を伴う場合が多いです。

側貌計測では歯は正常被蓋であるのに上顎発育不全である場合が多く

隠れ反対咬合のような場合も見られます。

隠れ反対咬合は単純に歯列を側方拡大すると反対咬合が顕在化してしまう場合があり

治療には注意が必要です。

上顎そのものが小さいこともある

もちろん上顎全体が発育不全の場合にも頬こけを起こします。

この場合はひたすら全方向への上顎の発育促進をおこないます。

 

同じ頬こけでも治し方が異なります。

これを見抜けないで単純に歯列を広げると思いもよらない事が起きてしまいます。

矯正治療による頬こけ

また4抜歯矯正も頬こけを起こします。

このばあいは 歯列の縮小均衡を取っているのですから

当然軟組織側は余りが出るので頬がこけます。

しゃくれ顔による頬こけ

頬こけが所謂しゃくれを伴って起きる場合もあります。

上顎の大きさが正常なのに下顎が大きすぎる場合です。

これは治しにくく最悪手術になるケースもあります。

手術になるならなるで止むを得ないわけですが

最初から言われれば納得できても治療が行き詰って手術と言われれば患者さんとしては納得いかないでしょうしこちらも信用を失ってしまいます。

良くないなら良くないと最初の段階で見極めないと後々双方にとって芳しくないことになります。

美人顔も時代しだい

しゃくれを逆手に取る女芸人さんたち

ところで

最近容姿が良くないことを逆手にとって売り込んでいる女性の芸人さんがみられます。

この人たちの多くに共通していることはしゃくれ顔が多いということではないでしょうか。

しゃくれ顔=陥凹型顔貌では上顎が顕著に後退して見られ、反対に下顎が前突して見られます。人によってはこれを頬こけとしてとらえている方もいるかもしれません。

しゃくれが欠点だとは思いませんがあえてそこを強調することによって人気を得るというのはなかなかの策だと思います。

現代日本は丸っこい顔が美人

逆に前突型顔貌、横から見ると鼻の部分が高く見える顔貌の人は一般的に美人と呼ばれている人が多いように思われます。最近人気のある女優さんはほとんど、程度の差こそあれ前突型顔貌のように思います。

前突型の場合は頬はこけて見えませんからあるいは頬こけを治したいという方は前突型顔貌になりたいということなのかもしれません。

 

現代の日本では丸っこいものをかわいいと称する傾向にあります。

しゃくれ顔あるいは頬こけ顔は丸っこくは見えませんよね。

丸に目鼻を付けると側貌は前突型に見えると思われます。

 

江戸時代はしゃくれが美人

 

現代のと言いましたがこれは時代の変遷による物で

江戸時代は逆にしゃくれ顔が美人だといわれていたというのは

有名な話です。

浮世絵の美人画と言われるものに描かれている人がみなしゃくれ顔なのは

たまたまではなくそれが美人のフォーマットだったからです。

余談ですが僕が高校から大学生くらいの時は

シャツの裾をズボンの外に出す、というの当たり前のことでした。

ところが最近ではズボンの中に入れるのか主流になっているのだそうです。

昔はシャツをズボンに入れていたら下手をしたら変態扱いされたものです。

美意識というの世に連れ時に連れ変遷するもので

もうしばらくするとしゃくれが美人という時代になるかもしれませんね(笑)

 

治しにくいロングフェイス

 

あとロングフェイスという顔が天地に長く伸びてしまっている人。

これは不正咬合のほか「口呼吸」による影響と言われています。

小顔全盛の今ロングフェイスはちょっといただけないかもしれません。

頬こけを気にしている方は少なからずロングフェイスの方が多いように思われます。

 

ロングフェイスは一度なってしまうと完全に治すのは難しいです。

 

ロングフェイスはもちろん頬こけを伴います。

これを防ぐためには成長期に入る前に上顎を充分規定量まで育てておくことと

口呼吸を阻止することです。

機能矯正で頬こけを治す

 

さて頬こけと言ってもいろいろな容態があるとお話してきました。

 

共通して言えることは上顎が小さい場合は頬がこけるということです。

上顎骨の成長は止まるのが早い

実は上顎骨は4歳児で成長が70%終わっていると言われています。

 

下顎骨は12歳から14歳ころに起こる成長期に身長が伸びるにしたがって

大きくなります。

小学生のうちはバランスの取れた顔立ちだったのに中学生になってしゃくれ出したりするのはこのためです。

成長による変異を見越して治療をする

僕は子供の矯正治療をするときに一応小学校卒業時にブラケットが外せるというのを目標にしていますがこの成長による偏位を頭に入れて、いわば偏差射撃をするような治療をしています。

この過程が成功すれば頬こけにはなりません。

ここは僕の経験がなければできない当院のオリジナル治療ということができるでしょう。

成人機能矯正でも頬こけはなおる

また成人の場合も

多くの方は上顎に拡大方向の治療をすると言う診断結果がでます。

頬こけのみに着目して治療をしているわけではありませんが

上顎を拡大方向に治療すれば当然

頬こけは治ります。

 

まとめ

 

さて今までのことをまとめますと

 

頬こけはいろいろな要因で発生するが根本的には

上顎骨が絶対的または相対的に小さいことによって発生する。

 

ということです。

 

ですから上顎にアプローチする場合はなるべく年齢が若いうちに着手したいです。

 

また頬こけが気になっているなら4抜歯矯正はより悪化させてしまうので

避けたほうがいいです。

縮小均衡でもよい場合もありますがもともとある種萎縮によって起こっている頬こけは

縮小すれば悪化します。

 

機能矯正は成長不全を取り戻すことが主作用ですから

頬こけを治したいならうってつけと言えるのだろうと思います。

6歳からの機能矯正

なぜ小児矯正は6歳から継続するとうまく行くのか?

早期抑制矯正について

矯正治療と言うと皆さん歯が生えそろってからやるもの
という印象をお持ちだと思います。
確かに歯列矯正は歯が並んでいなければてきません。

しかしながら歯列不正が起こるときは歯が生えてくるときにすでにむちゃくちゃに生えてくるのでこの時に少しでもきちんと歯が生えるようにしてあげれば後々の歯列矯正は少しの手間で行う事ができます。
また成長期の子供は成長への刺激の感受性が高く成長不全があった場合
正しい方向に導くのは比較的容易です。
歯が生えてしまえばすでに成長は終わってしまっているわけですから歯を動かして並べることはできても成長不足を補う事は容易ではありません。
ですから歯列矯正では歯を抜いて歯を動かすスペースを作らなければならないのです。

子供のうちに不正咬合の可能性を見抜いて治療を行っていく治療を「早期予防抑制矯正」と呼びます。
私の機能矯正は本当は「早期予防抑制矯正」を得意としています。

不正咬合は何故おこるか?

不正咬合を防ぐためにはなぜ不正咬合が起こるか理解しなければなりません。
またそれにより不正咬合のわずかな予兆を見抜き親御さんへの適切な助言と治療方針を出せなければなりません。

1)先天異常

第1、第2鰓弓症候群

顔面が左右非対称となる先天異常です小耳症を伴うなど主な治療は形成外科となり歯科はその後続発的な治療をすることになります。
私の師匠の岩附が治療経験を持っていますが形成外科での治療に続いて機能矯正治療を行い良好な結果を出しました。

ピエール・ロバン症候群

下顎の小顎症を伴う事が知られている先天異常です。
鳥貌症ともいられあたかも下顎が無いような顔となります。
機能矯正の歴史はピエール・ロバン症候群の治療から始まった
ともいわれています。このとき治療用に開発された装置が改良され現在の機能矯正装置になりました。

以上不正咬合を伴う著名な先天異常をご紹介いたしましたが
どちらも非常に早期に化骨延長手術をしなければ治りません。

不正咬合をある意味先天異常の一つと捉えるなら当然顎骨の成長力のある小児のうちに治療に着手する方がわざわざ成長力が無くなってしまうまで待つより治りがいいのは当然だろうと思います。

また近年歯の先天欠損がとても多くみられるようになりこの場合は早めに手を打たないといつまでたっても歯が萌出してくることはありません。
大きくなってしまうと顔面の変形などを併発してしまう事になります。

2)習癖

指しゃぶりはお母さんも気にされ早く治したいと思われる習癖の一つですが6歳になって永久歯が生え変わり始めるまでに解消すれば問題はありません。しかしながら私の症例で中学生くらいまで指しゃぶりを続けた方を見たことがありますが、この方は極端な上顎前突になり下顎の前歯は後方に倒れていると言う極めて難しい状態になっていました。

うつぶせ寝を推奨する育児法があるようですが少なくとも健康な上顎の発育にはうつぶせ寝は勧められません。私が診た人で極端な上顎発育不全の方はみなうつぶせ寝だったからです。中にはうつぶせ寝の解消に強く抵抗されるお母さんもいましたが何とか説得して治療に成功しました。

3)遺伝

親御さんが不正咬合だとたいていお子さんも不正咬合になりそのタイプも似ています。
またご両親は歯並びがいいのに子供が不正咬合になったと言う場合何代か遡ると
そのような不正咬合の方がいたなどと言う事もあります。

4)呼吸

アデノイドの腫脹などがあり鼻呼吸ができず口呼吸になると歯並びは極端に悪くなります。歯は自ら咬みあう事によって位置を決めていくからです。咬みあっていないために歯がどこに行ったらいいかわからなくなくなってしまうのです。
また常に口が開いている状態になるため上下に長い顔になってしまいます。
機能矯正治療に当たっては口呼吸の改善を図るよう常に気を配ってます。

5)原因が特定できないもの

大半の矯正の患者さんはここに分類されます。
不正咬合は様々なことで発生し病態も一様ではありません。また致命的なものではないので病因論的に予防するという研究がなされていません。
従って不正咬合に有効な予防は確立されていません。
原因云々いうよりとにかく早く治療に着手することがいちばん有効なのです。

不正咬合は様々な要因で発生しますがなってしまった以上治さなければ自然治癒はありません。
普通の親御さんは子供が不正咬合になることを望んではいないと思います。
(もっとも中には歯が一本生えてこないくらいなんでもないと言う方もいましたが)
小さなうちからしっかりと診断し各成長段階に適した治療を行う事によって
歯を抜くなどの無理な治療することなくきれいな歯並びを作ることができるのです。

症例

7歳になるくらいの時に来院された患者さんです。
ここまでのディープバイトはさすがに病的と思われ治療に着手しました。
側貌をみるとかなりの下顎後退が認められます。

唯一救いだったのはこの子は上顎の発達があまり悪くなく
下顎の後退を治療すれば治ると思われました。
下顎は身長が伸びるとともに次第に大きくなっていきますから上顎の発育を取り戻すよりはやりやすいともいえます。

約4年間バイオネーターを使い続けることによって

以下のような治療結果を得ました。

しっかり下顎も発達し口唇の状態から鼻呼吸が確立していることが確認できます。

このお子さんはブラケットとワイヤーを使った後半治療を希望されませんでした。

中切歯に空隙があるのはそのためですが

本人もお母様も特に気にしておられませんでした。

またしっかり鼻呼吸が確立されたためか学力も向上し

中学受験でよい結果を納めることができました。

非抜歯矯正(非抜歯拡大矯正)をするとどうなるか?

抜歯矯正と非抜歯矯正

矯正と言えば第一小臼歯を抜くもの、というのが通り相場ですが

小臼歯抜歯がうまく行かないと言う事は患者さんの間でも知れ渡り始めているようで

最近では非抜歯を売り物にしている矯正も増えてきました。

また矯正専門医でも趣旨を曲げ非抜歯を謳わないと食えないところもあるようで非抜歯矯正に手を付けているところもあるようです。

ところでなんで私が「非抜歯矯正」と他人事のように言うかというと私の「機能矯正」は抜歯矯正でも非抜歯矯正でもない第三の道だからです。

 

抜歯矯正で不具合が起こるわけ

さて以前の記事で抜歯矯正を日本人に適応するとどうなるかは詳細に述べました。

 

4番抜歯がすべて悪いわけではなくきちんとした検査に基づけば適応があり適応に基づけばうまく行くのです。なぜうまく行かないかについてはすでに述べていますがおさらいをすれば4番を抜いてうまく行くのは基底となる顎骨の成長が正常で歯の大きさだけが大きい場合です。ところが日本人の不正咬合はほとんどの場合顎骨の成長不全によって発生しているのです。

つまりただでさえ小さい顎骨をさらに小さくすれば歯は並んだとしても全体としてのバランスは崩れてしまいますしなにより最も大事な気道の位置的な確保をはじめとする呼吸機能の障害が発生します。

また高率に顎関節症も発症します。

いま呼吸機能と申しましたが

呼吸機能が正常に作用するにはまず舌の位置が正しくなければなりません。

舌の上には鼻の中の空洞、鼻腔がありの奥の上顎洞があります。

舌がきちんと顎の中に納まっていると言う事は鼻腔も上顎洞も正しい大きさを確保していると言う事になります。4を抜いて上顎を縮めてしまい舌が上顎に納まらなくなれば

この呼吸に関する器官の物理的大きさも小さくなり空気が通りにくくなります。

また舌が後方に押しやられるために閉口状態では気道がつぶれてしまい空気が通らないために口呼吸の傾向が強くなります。

舌が正しい位置に行き上顎がしっかりした大きさを確保し鼻腔や上顎洞も正しい大きさが確保できれば鼻からの空気の通りがよくなり、また舌がしっかり前方位を取れるため気道がしっかり広がり正しい鼻呼吸ができるようになります。

歯並びもこのように治せば後戻りも少なくなり多少乱れたとしてもれ気にならい程度となります。

機能の不全を残したままでワイヤーではを並べたとしても外せばあっというまに乱れてしまいます。当院ではアライナー矯正で抜歯矯正後の後戻りの治療をすることが多いですがたいていはミューチュアリープロテクテッドオクルージョンすなわち個々の歯が咬みあわせにより位置的に安定しあい保護しあうと言う関係は構築できず永続的なリテーナーの使用をお願いすることが多いです

非抜歯矯正とは

さてこのように4番抜歯は適応を誤ると重篤な副反応を引き起こすわけですが

非抜歯矯正と呼ばれている技法ではどうでしょうか。

非抜歯矯正で思い出すのは一昔前に一世を風靡したデーモンブラケットです。

基本的にデーモンはローフリクションと呼ばれる種類のブラケットで

デーモンブラケットに所定のワイヤーをセットすると歯列が拡大していくように設計されています。

またその前処置として第一大臼歯の遠心移動(後ろに送り込む事)を行います。

歯を並べるためのスペースを確保するために第一大臼歯を後ろに押し込むのです。

すると確かに4抜歯しなくても歯はきれいに並びます。

非抜歯矯正で不具合が起こるわけ

では何がだめなのか?

 

実はこの方法も上顎骨が充分に大きければ有効な方法です。

しかしながら一般的な日本人は(最近日本人と言うくくりがあいまいになっているのでこの言い方も適切とは言い切れませんが)上顎骨が小さいとお話ししました。

小さい上顎骨を抜歯で小さくすればおかしくなるというのは理解しやすいと思います。

小さい上顎骨の帳尻を合わせるために後ろ側にギュッと押し込めたとしたら?

上顎の後ろ側には神経や血管、それに呼吸に大切な気道が入っています。

前方にスペースが有り余っているならともかくそもそも小さな上顎に合わせて第一大臼歯を後ろに押し込むのだから重要器官の詰まっている後ろ側が大渋滞を起こして大変なことになってしまいます。

しかも4抜歯の場合に比べて不具合がわかりにくい。

偏頭痛がするとか、なんとなく体調が悪いとか、何故かわからないが表情が不自然とか。よくよく問診してみると非抜歯で矯正していたということがあります。

とてもよく起こるのは第二大臼歯の萌出不全です。

すべての歯がきちんと並ぶのが治療の一つのゴールなのですが

もともと小さすぎているところに第一大臼歯が押し込まれてくるのだから

第二大臼歯はたまったものではありません。

埋伏をしたり生える場所が無くて横向きになってしまったりします。

私が第一大臼歯の後方移動をしたケースでいちばん気になるのは

歯列が不自然に横に広くなりどうゆうわけだか

カッパのような顔になることです。

正しい診断こそすべて

この原稿を書いている時のことですが

タレントの堀ちえみさんの舌癌のニュースが伝えられました。

ほりさんは難治性の口内炎を訴え数か月におよびかかりつけ歯科医に通っていたそうですが難治性の口内炎はまず癌を疑うという診断の初歩を知らない歯科医のために治療好機を逸しステージ4、つまり末期がんと言われる段階まで進行してしまいました。

まだまだ治療の可能性は残されているとは言うものの

もっと早く専門医の診断と早期の治療ができていれば・・

と自分のテリトリーで起こったことに対してとても悔しく思います。

なにより堀さんの一日も早い回復を願ってやみません。

 

言いたいとは正しい診断ができなければ時に命にかかわる重大事となるということです。

 

また矯正治療のように長期間と多額の費用のかかる治療の場合

もし間違った結果を出してしまえば少なくとも治療にかかった時間を取り戻すことはできない、ということです。

4抜歯にせよ非抜歯矯正にせよ適応を見極められれば良い結果を出すことのできる治療法です。

しかしながら当院には矯正治療の不具合を訴えてお出でになる患者さんが後を絶ちません。

正解は診断の中にこそあり

まず治療法ありきではうまく行くか行かないかはギャンブルになるということです。

 

どうもおかしいとか納得が行かないと思われる方がいらっしゃいましたら早くお出で下さい。

ご相談お承りいたします。

矯正治療で顔が変わる

歯並びを変えると顔が変化する。

皆さんは矯正治療で顔が変化すると言う事実をご存知ですか?

矯正治療できれいな歯並びになって顔だちもよくなるかと思いきや
頬がこけてしまい・・
などと言うお嘆きをよくネット上の投稿で見かけます。

4抜歯をするとなぜ顔が変わってしまうのか考えたいと思います。

4抜歯をしてもあまり顔が変わらない方もいます。

逆に極端に頬がこけてしまう方もいます。

抜歯矯正をされている先生は
よく
抜歯をしないと歯が口から飛び出してゴリラのような顔になる
と脅されますが
うちの症例を見ていただければわかるように
抜かなくても顔がおかしくなることはありません。

もっとも他の非抜歯矯正ではカッパのような顔になった人を観測していますから
何が何でも非抜歯ならいいとも言えないようです。

 

さて

それでは次の写真をご覧ください。

抜歯矯正後の患者さんの口腔内写真です。

素晴らしい仕上がりです。

それもそのはず

この方は某歯科大学の矯正科で

れっきとした矯正専門医が治療した患者さんです。

ここまではよく矯正医のホームページに出ている写真です。

では

どんなお顔になったかというと

 

 

 

ひどい頬こけと深い豊齢線ができてしまいました。

また咬みあわせが深くなりすぎたのか

下顎角が深くなりすぎているようで外観的にはえらが張ったように見えました。

さっきは良いかみ合わせと言いましたが

もう一度歯の写真をご覧ください

犬歯の頭そしてその後ろの歯が

ほとんど平らになってしまっていると思いませんか?

上下とも奥の歯が

極端に擦り減っています。

左側の上の歯列の向かって右側の奥から二番目の歯

実はセラミックのインレー(歯の詰め物)がしてあるのですが

何回やっても欠けてしまうとの事。

あきらかに顎運動と

歯の咬みあわせが食い違っているのです。

歯がどんどん擦り減ってしまってセラミックインレーも割れてしまうし

歯の外側のエナメル質が抜けしまって中の象牙質が出始めてしまっています。

これは50代の患者さんではよく見られることですが

この患者さんはまだ20代の後半です。

たいてい矯正の術後写真は口腔内だけで

お顔の写真が出ることはありません。

出せないのです。

また

撮影するのはワイヤーを外したその日に撮るので

この写真のようにいろいろな不具合が起きる前に撮ってあるのです。

 

 

私と矯正歯科との出会い

 

ここで私が矯正の研究を始めたきっかけをお話ししましょう。

以前も他のブログで書きましたが

私は歯医者の技術の中で個々の歯をしっかり治す

保存と言う分野が好きで

大学の保存修復科と言うところに研修生として残りました。

そこでは来る日も来る日も

歯を削ったり詰めたりしてるわけです。

個々の歯をしっかり治して積み上げて行けば

自ずとその人なりの咬みあわせになるだろう

と言うのが当時の私の考え方でした。

矯正治療はそもそもその人が成長の過程で獲得した歯と7顎運動の調和を崩してしまうので

あまりやるものじゃないだろう

と考えていたのです。

 

ですからその頃は

どうしても矯正がやりたいと言う患者さんは

矯正医に紹介していたのです。

ところがある日、変なことに気が着きました。

矯正医に送った患者さんが誰も返信されて来ないのです。

まあそのうち矯正治療完了の報告とともに帰ってくるのだろうと思っていましたが

ついに矯正に送った患者さんが返信になることはありませんでした。

また、臨床を重ねるうちに

抜歯矯正をした患者さんに

いろいろな不具合が生じていることにも気が着き始めます。

要するに返信しないのではなくて

できないのだと思うようになりました。

 

その一番の原因は

顔だちの変化でしょう。

 

顔だちの変化とスケルタルダイアグラム

 

前回書いたブログのグラフ

ジェファーソンアナリシスから作られた

スケルタルダイアグラムを思い出してください。

このとき上顎の値が基準線より大きければ

つまりタイプⅡAとタイプBPの場合は抜いても顔の形が大きく崩れることはありません。

この二つのタイプは矯正専門医が説明するように

拡大で歯を並べようとすれば

ゴリラ顔になります。この二つはアングロサクソンやアフリカ系の方に多く見られます。

日本人にはほぼ見られません。

日本人に多いのはBRです。

それでは何が悪いのかというと

 

抜歯矯正は白人のための技術である

 

考えてみてください。

もともと抜歯矯正はアメリカで生まれました。

アメリカにはいろいろな人種がいますが

昔矯正治療が受けられるのは裕福な白人だけでしたから

抜歯矯正とはそもそも彼らのための技術なのです。

上の顎が基準を超えて大きければ歯を抜くのもありと思われます。

しかしそもそもBRのように上の顎が小さければ

歯を抜いてしまえばもっと小さくなってしまいます。

すると症例の方のように深い豊齢線と頬こけが発生することになります。

つまり抜歯をするから変な顔になるのではなくて

抜く適応症ではないから抜いたら変な顔になるのです。

4抜歯をするのがいけないのではなく

4抜歯の適応ではない人に抜歯をしてはいけないのです。

そして4抜歯の適応の方は日本人ではとても少ないのです。

 

また所謂非抜歯矯正で6を後ろにずらす治療をする方もいますが

これもBRでは悪化する恐れがあります。

抜く適応ではない方を抜いてしまうとこのようになる恐れがあります。

つまりはすべて診断しだい

診断で抜いてはいけない

と出ているのに抜いてしまうからおかしくなる

正しい診断をしてそれにしだがって治療をすすめれば

良い治療結果が出せるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出っ歯の矯正治療(機能矯正)

不正咬合の分類

「歯並びが悪くて治療したい」と思われる咬みあわせの最右翼が所謂「出っ歯」ではないでしょうか。
今回はこの「出っ歯」に焦点を当てて機能矯正的な出っ歯のとらえ方とそれをどう治していくのか、というお話をしたいと思います。

「出っ歯」というのは不正咬合の分類でいうと「上顎前突」にくくられると思いますが、これにはいろいろな病態の物があります。
不正咬合にはこの反対の「受け口」所謂反対咬合も有名です。

意外なことに病態によっては初期の治療方法が、出っ歯も受け口も同じ手を取ることがあるのです。
なぜでしょうか?
それでは不正咬合の分類のお話からしていきましょう。

上顎前突

出っ歯はという状態は上の顎が下の顎に比べて大きいから起こるように思われがちです。
もちろんそのような場合もあります。
所見としては上の歯が唇から飛び出していていつも見えていたりします。

しかしながら同じ上顎前突でも上だけが異常に大きいという人はあまりいません。
お笑い芸人の明石家さんまさんはむしろ出っ歯を売り物にしています。
さんまさんの物まねをする人はまず着け出っ歯を入れますからね。
さんまさんは出っ歯でもあまり貧相感は無いように思います。

逆に箕輪はるかさんは出っ歯でなおかつ貧乏臭さを売り物にしていた時期があり、歯が出ていたことで打撲し前歯が死んでしまい黒変していたのを売り物にしていた時期すらありました。

一般的に出っ歯が嫌われるのはゲゲゲの鬼太郎のねずみ男のような面相になるときではないでしょうか。
それは貧相とにつながりなんとなく暗い表情になってしまいます。

ちなみにいうと私が機能矯正医としての第一歩を踏み出した症例は出っ歯の治療からでした。
この当時口腔内カメラを持っていなかったので模型の写真しかありませんが、まあ見事な出っ歯です。

下口唇の下に深い溝が見られることが口腔外所見の特長です。
ところでこの出っ歯、どのような要素の出っ歯なのでしょうか?

同じ出っ歯でもの生業によって治し方が違います。
この要素を分類したのがアメリカの日系人歯科医ヨシ・ジェファーソン先生です。

下顎前突

いわゆる受け口です。
受け口の場合はとても分かりやすいですから小中学生で受け口なら「治さないとだめだよね」という話になりやすいです。
しかも受け口は成長とともに促進されますから確かに早く着手したほうがいいです。
しかしながら受け口はやや面倒な側面を持っています。

今回は上顎前突が主役ですからこちらは触りだけ触れさせていただきますが、この受け口にも要素により3分類することができます。
また、これが厄介なのは12歳くらいで他の不正咬合の子がもうそろそろ終わり、という頃になって突如として下の顎が伸び始める場合があるのです。

初診時の問診でご家族とか親戚に極端な反対咬合の方はいないかをお聞きはしているのですが、お父さんもお母さんも正常でおじいさんや親類縁者にのような方がいなくても、お子さんだけに突然下顎過成長が来てしまうというケースも体験しています。
つまりは末端肥大症で背もドンドン高くなってしまいます。

これは下顎切除術でないと治せないのですが、このとき大事になるのは下顎を切除した時にきれいなかみ合わせになるように上顎の準備をしておくということです。
顎は切れば小さくなるけど背は引っ張っても伸びないので背が高くなったことをギフトと考えていただくのが一番だろうと思います。

どっちにしても、どうせ切るんだからほっておいてもいいかというとそうでもありません。
上顎の方をしっかり準備しないと手術の適応年齢に達しているのに着手できないという事態になります。
また当院の患者さんのお母様で受け口の手術をしたのですが、何故か矯正専門医が第一小臼歯を4本抜いてしまってその後反対咬合の後戻りや顎関節症などの副作用に悩まされ、当院で機能矯正装置を使って再治療したという方もいました。
どのような状態だったのかその時は知るすべはありませんでしたが、4抜歯はいらなかったのではないかと思われました。

下顎前突の要素によって治し方が変わってきます。
最初の方針が間違ってしまうとせっかく手術などの重い治療をしてもうまく治せくなりますから診断と見極めはとても大事です。

上下顎関係が正常な不正咬合

今回のメインテーマは上顎前突ですが比較上下額の関係は正常だか不正咬合という場合も述べておきましょう。
所謂乱食い状態の歯列です。
大学の時にこのような状態になるのは、顎の大きさに対して歯が大きすぎるためと習いました。
確かにそのような状態であれば歯を抜けば治るわけです。
しかしながらそのためには顎の大きさは正常であるのに、という前提条件が着くはずです。
では顎の正常な大きさとは何でしょうか?
それが計れなければ軽々に抜歯をしてしまうと歯は並んだが他がおかしくなった、という事になりかねないのです。

ビムラー分析は多数ある矯正の分析法の中でただひとつ、大きさ、を測る分析法です。
ですから、私の機能矯正は大きさに着目した矯正法と言えるのかもしれません。
ビムラー分析であっても当然抜くという処方が出る場合もあります。
ビムラー先生の治療でも4抜歯というのは存在しています。
それは上下顎の大きさは正常だが不正咬合が起きている場合。
この場合は間違いなく抜歯症例となるわけです。

ところが今まで20年近くビムラー分析をやり続けていて、日本人でこのような方にお会いしたことがないのです。
日本人は民族的に上顎骨の発育が悪くほとんどの人が上顎骨が小さいことが不正咬合の原因になっているため、抜歯と言う処方が出ないのです。
抜かない矯正を表看板にしていますが正確に「言うと抜く必要のない歯を抜かない矯正」と言えるのかもしれません。

ヨシ・ジェファーソンの分類

ヨシ先生は日系アメリカ人でサンフランシスコの開業医ですが、ビムラー先生の理論を実践で使いやすく分類したスケルタルダイアグラムを開発しました。
これは上下の顎骨の位置関係を垂直的な指標でとらえたもので、とくに機能矯正治療のときには大変役に立ちます。

実際のジェファーソンアナリシスはセファロレントゲン写真を製図版の上に乗せ、N-S平面、咬合平面、下顎骨の下縁平面を後方に延長し、交点の最大公約数を取ってポイントゼロとして、そこを中点としてN点から円弧を引いて上下額骨の位置関係を調べると言うものです。
これは結構作業量が膨大なため簡略化したものがスケルタルダイヤグラムです。
スケルタルダイアグラムを見る時、現在ではセファロレントゲン上の鼻骨の付け根の部分N点からフランクフルト平面に垂線を下して上顎骨の前縁A点が乗っている場合を正常とします。
また下顎もN点から降りた線に乗っている場合を正常とします。
この二つが乗っている場合をタイプⅠ(正常)として治療の一つの目標とします。

上顎前突3態

次に上顎前突の場合を考えてみます。
上下の位置関係が上顎が前に出ている場合をタイプⅡとしますが、N点から降ろした線よりA点が前に出ているものをタイプⅡA、乗っているが下顎B点が下がっているものをタイプⅡBとします。
さらにA点が前に出ていてB点が後ろに下がっているものをタイプⅡCとします。
この3態に分類することによってそれぞれ治療の方針が異なることになります。

タイプⅡAの場合は上顎を後方に抑えるのが方針となり、タイプⅡBの場合は下顎を前方誘導することが必要になります。
当然タイプⅡCでは両方を同時に行うと言うのが方針となります。

下顎前突3態

下顎前突の分類も同様です。
下顎前突をタイプⅢとしますが、上顎が下がっているものをタイプⅢA、下顎が出ているものをタイプⅢB、上顎が下がり下顎が出ているものをタイプⅢCとします。
当然それぞれに治し方は異なります。

上下のの位置関係は正常だが不正咬合

上下は正常だが両方出てしまっている場合もあります。
この場合をBP、両方下がっている場合をBRとします。
日本人はBRが多いように思われます。

上顎前突を治さないとどうなるか

上顎前突と言っても3態によって治し方は異なります。

タイプⅡA

このタイプは日本人にはほとんどいません。
完全に治すには外科手術が必要になると思われますが臨床経験がないので良くわかりません。

タイプⅡB

ピエールロバン症候群などがこのタイプに含まれます。
MASと呼ばれる装置はそもそもピエールロバンを治すために開発されたので、MASが良く効きます。バイオネーターⅡやビムラータイプA等です。
放置すると呼吸機能に障害がおこる他顎関節症などにかかりやすくまた奥歯が虫歯で無くなりやすくなります。

タイプⅡC

このタイプが日本人には一番多くなります。
MASを使ったのに治りが悪い上顎前突がこのタイプです。
MASを使う前に上顎に聞く装置を使う必要があります。
頬こけを起こすのがこのタイプです。

放置して場合はタイプⅡBに加えて頬こけやねずみ男顔貌などが治らないと言う事になります。
出っ歯なのに前に引っ張ると言うトリッキーな方法で治す必要があり、患者さんは驚かれるかもしれません。

症例

先ほどの模型の写真の患者さんですが、ビムラータイプAを半年ほど使用してここまでよくなりました。

お顔の状態はこのようになっています。

下口唇の下の溝が消えているのが観察されます。
この方は実はタイプⅡBでしたのでビムラータイプAで著効がありました。
さらにブラケットワイヤーを使って完治後の写真が下です。

初診時と比べると頬こけも改善していることが観察されると思います。
上顎前突は受け口と違い見落とされがちな不正咬合ですが、実は下顎が後退することで呼吸機能にかなり悪影響がでると言われており、治すことによってご覧のように改善して、患者さんの健康とQOLの改善に大きく寄与できるものと考えております。