出っ歯の矯正治療(機能矯正)

不正咬合の分類

「歯並びが悪くて治療したい」と思われる咬みあわせの最右翼が所謂「出っ歯」ではないでしょうか。
今回はこの「出っ歯」に焦点を当てて機能矯正的な出っ歯のとらえ方とそれをどう治していくのか、というお話をしたいと思います。

「出っ歯」というのは不正咬合の分類でいうと「上顎前突」にくくられると思いますが、これにはいろいろな病態の物があります。
不正咬合にはこの反対の「受け口」所謂反対咬合も有名です。

意外なことに病態によっては初期の治療方法が、出っ歯も受け口も同じ手を取ることがあるのです。
なぜでしょうか?
それでは不正咬合の分類のお話からしていきましょう。

上顎前突

出っ歯はという状態は上の顎が下の顎に比べて大きいから起こるように思われがちです。
もちろんそのような場合もあります。
所見としては上の歯が唇から飛び出していていつも見えていたりします。

しかしながら同じ上顎前突でも上だけが異常に大きいという人はあまりいません。
お笑い芸人の明石家さんまさんはむしろ出っ歯を売り物にしています。
さんまさんの物まねをする人はまず着け出っ歯を入れますからね。
さんまさんは出っ歯でもあまり貧相感は無いように思います。

逆に箕輪はるかさんは出っ歯でなおかつ貧乏臭さを売り物にしていた時期があり、歯が出ていたことで打撲し前歯が死んでしまい黒変していたのを売り物にしていた時期すらありました。

一般的に出っ歯が嫌われるのはゲゲゲの鬼太郎のねずみ男のような面相になるときではないでしょうか。
それは貧相とにつながりなんとなく暗い表情になってしまいます。

ちなみにいうと私が機能矯正医としての第一歩を踏み出した症例は出っ歯の治療からでした。
この当時口腔内カメラを持っていなかったので模型の写真しかありませんが、まあ見事な出っ歯です。

下口唇の下に深い溝が見られることが口腔外所見の特長です。
ところでこの出っ歯、どのような要素の出っ歯なのでしょうか?

同じ出っ歯でもの生業によって治し方が違います。
この要素を分類したのがアメリカの日系人歯科医ヨシ・ジェファーソン先生です。

下顎前突

いわゆる受け口です。
受け口の場合はとても分かりやすいですから小中学生で受け口なら「治さないとだめだよね」という話になりやすいです。
しかも受け口は成長とともに促進されますから確かに早く着手したほうがいいです。
しかしながら受け口はやや面倒な側面を持っています。

今回は上顎前突が主役ですからこちらは触りだけ触れさせていただきますが、この受け口にも要素により3分類することができます。
また、これが厄介なのは12歳くらいで他の不正咬合の子がもうそろそろ終わり、という頃になって突如として下の顎が伸び始める場合があるのです。

初診時の問診でご家族とか親戚に極端な反対咬合の方はいないかをお聞きはしているのですが、お父さんもお母さんも正常でおじいさんや親類縁者にのような方がいなくても、お子さんだけに突然下顎過成長が来てしまうというケースも体験しています。
つまりは末端肥大症で背もドンドン高くなってしまいます。

これは下顎切除術でないと治せないのですが、このとき大事になるのは下顎を切除した時にきれいなかみ合わせになるように上顎の準備をしておくということです。
顎は切れば小さくなるけど背は引っ張っても伸びないので背が高くなったことをギフトと考えていただくのが一番だろうと思います。

どっちにしても、どうせ切るんだからほっておいてもいいかというとそうでもありません。
上顎の方をしっかり準備しないと手術の適応年齢に達しているのに着手できないという事態になります。
また当院の患者さんのお母様で受け口の手術をしたのですが、何故か矯正専門医が第一小臼歯を4本抜いてしまってその後反対咬合の後戻りや顎関節症などの副作用に悩まされ、当院で機能矯正装置を使って再治療したという方もいました。
どのような状態だったのかその時は知るすべはありませんでしたが、4抜歯はいらなかったのではないかと思われました。

下顎前突の要素によって治し方が変わってきます。
最初の方針が間違ってしまうとせっかく手術などの重い治療をしてもうまく治せくなりますから診断と見極めはとても大事です。

上下顎関係が正常な不正咬合

今回のメインテーマは上顎前突ですが比較上下額の関係は正常だか不正咬合という場合も述べておきましょう。
所謂乱食い状態の歯列です。
大学の時にこのような状態になるのは、顎の大きさに対して歯が大きすぎるためと習いました。
確かにそのような状態であれば歯を抜けば治るわけです。
しかしながらそのためには顎の大きさは正常であるのに、という前提条件が着くはずです。
では顎の正常な大きさとは何でしょうか?
それが計れなければ軽々に抜歯をしてしまうと歯は並んだが他がおかしくなった、という事になりかねないのです。

ビムラー分析は多数ある矯正の分析法の中でただひとつ、大きさ、を測る分析法です。
ですから、私の機能矯正は大きさに着目した矯正法と言えるのかもしれません。
ビムラー分析であっても当然抜くという処方が出る場合もあります。
ビムラー先生の治療でも4抜歯というのは存在しています。
それは上下顎の大きさは正常だが不正咬合が起きている場合。
この場合は間違いなく抜歯症例となるわけです。

ところが今まで20年近くビムラー分析をやり続けていて、日本人でこのような方にお会いしたことがないのです。
日本人は民族的に上顎骨の発育が悪くほとんどの人が上顎骨が小さいことが不正咬合の原因になっているため、抜歯と言う処方が出ないのです。
抜かない矯正を表看板にしていますが正確に「言うと抜く必要のない歯を抜かない矯正」と言えるのかもしれません。

ヨシ・ジェファーソンの分類

ヨシ先生は日系アメリカ人でサンフランシスコの開業医ですが、ビムラー先生の理論を実践で使いやすく分類したスケルタルダイアグラムを開発しました。
これは上下の顎骨の位置関係を垂直的な指標でとらえたもので、とくに機能矯正治療のときには大変役に立ちます。

実際のジェファーソンアナリシスはセファロレントゲン写真を製図版の上に乗せ、N-S平面、咬合平面、下顎骨の下縁平面を後方に延長し、交点の最大公約数を取ってポイントゼロとして、そこを中点としてN点から円弧を引いて上下額骨の位置関係を調べると言うものです。
これは結構作業量が膨大なため簡略化したものがスケルタルダイヤグラムです。
スケルタルダイアグラムを見る時、現在ではセファロレントゲン上の鼻骨の付け根の部分N点からフランクフルト平面に垂線を下して上顎骨の前縁A点が乗っている場合を正常とします。
また下顎もN点から降りた線に乗っている場合を正常とします。
この二つが乗っている場合をタイプⅠ(正常)として治療の一つの目標とします。

上顎前突3態

次に上顎前突の場合を考えてみます。
上下の位置関係が上顎が前に出ている場合をタイプⅡとしますが、N点から降ろした線よりA点が前に出ているものをタイプⅡA、乗っているが下顎B点が下がっているものをタイプⅡBとします。
さらにA点が前に出ていてB点が後ろに下がっているものをタイプⅡCとします。
この3態に分類することによってそれぞれ治療の方針が異なることになります。

タイプⅡAの場合は上顎を後方に抑えるのが方針となり、タイプⅡBの場合は下顎を前方誘導することが必要になります。
当然タイプⅡCでは両方を同時に行うと言うのが方針となります。

下顎前突3態

下顎前突の分類も同様です。
下顎前突をタイプⅢとしますが、上顎が下がっているものをタイプⅢA、下顎が出ているものをタイプⅢB、上顎が下がり下顎が出ているものをタイプⅢCとします。
当然それぞれに治し方は異なります。

上下のの位置関係は正常だが不正咬合

上下は正常だが両方出てしまっている場合もあります。
この場合をBP、両方下がっている場合をBRとします。
日本人はBRが多いように思われます。

上顎前突を治さないとどうなるか

上顎前突と言っても3態によって治し方は異なります。

タイプⅡA

このタイプは日本人にはほとんどいません。
完全に治すには外科手術が必要になると思われますが臨床経験がないので良くわかりません。

タイプⅡB

ピエールロバン症候群などがこのタイプに含まれます。
MASと呼ばれる装置はそもそもピエールロバンを治すために開発されたので、MASが良く効きます。バイオネーターⅡやビムラータイプA等です。
放置すると呼吸機能に障害がおこる他顎関節症などにかかりやすくまた奥歯が虫歯で無くなりやすくなります。

タイプⅡC

このタイプが日本人には一番多くなります。
MASを使ったのに治りが悪い上顎前突がこのタイプです。
MASを使う前に上顎に聞く装置を使う必要があります。
頬こけを起こすのがこのタイプです。

放置して場合はタイプⅡBに加えて頬こけやねずみ男顔貌などが治らないと言う事になります。
出っ歯なのに前に引っ張ると言うトリッキーな方法で治す必要があり、患者さんは驚かれるかもしれません。

症例

先ほどの模型の写真の患者さんですが、ビムラータイプAを半年ほど使用してここまでよくなりました。

お顔の状態はこのようになっています。

下口唇の下の溝が消えているのが観察されます。
この方は実はタイプⅡBでしたのでビムラータイプAで著効がありました。
さらにブラケットワイヤーを使って完治後の写真が下です。

初診時と比べると頬こけも改善していることが観察されると思います。
上顎前突は受け口と違い見落とされがちな不正咬合ですが、実は下顎が後退することで呼吸機能にかなり悪影響がでると言われており、治すことによってご覧のように改善して、患者さんの健康とQOLの改善に大きく寄与できるものと考えております。

矯正治療(歯科矯正)の料金について

自費治療と保険治療の費用の違い

良く聞く話ですが保険治療の料金に比べて自費になると急に高くなるといわれます。

まず基本的なおさらいをすると、保険治療というのは治療費の7割から9割を保険者といわれる組織が患者さんに代わって支払っています。
患者さんはそのために保険者に対して保険料を納めています。

保険治療について

通常保険というのは、納められた保険料より支払った保険金が少なくこの差が保険業者の収益になるわけです。
ところがほとんどの保険者は支払う保険金のほうが多く、どこの保険者もいつ破たんしても不思議ではない綱渡りの運営が続いているといわれています。
※ちなみに世界で健康保険があるのは日本だけで似た制度があるのはドイツだけです。

日本と海外の治療費比較

アメリカではオバマケアと言われる保険制度が作られましたが、これは民間保険会社と国家機関との融合で制度も利用法もとても煩雑といわれています。
その他各国の状況により社会福祉の一環として条件を満たした人に医療費の一部または全額が支払われるものや、まるっきり医療は自己負担という国まで様々です。

今では一部の国の人がわざわざ日本に一時滞在の資格を取得して、国民健康保険に加入して、ガン治療などの超高額医療を受けにくるなどの行為が横行しています。

このように保険治療は有意義なものの、保険者の財政状況(国家予算からの補てんを含む)がひっ迫しているため、特に歯科では充分な資金的な手当てができず、保険の無い諸外国に比べて同じ治療をした場合の医療費はものによっては10分の1という治療もあります

例えば根管治療(歯の根の治療)の場合、世界的には一根管50,000円~100,000円といわれていますが、日本では健康保険の保険料で一根管5,000円くらいで日本と海外では10~20倍の差があります。

コンポジットレジン充填(白い詰め物)が世界的には一歯20,000円くらいといわれていますが、日本では3,000円~5,000円、価格差4から7倍と実は桁違いに日本の歯科の医療費は安く抑えられています
しかも患者さん負担はその3割程度ですから安くて当然なのです。
価格が安い日本はとても良いことですが、患者さんにはできれば実態をご理解頂ければと思います。

日本の自費治療の費用設定

自費治療は基準が無くだいたいの相場はありますが各医院の裁量によって決められています。

松下幸之助が「値決めは命」と言ったといわれていますが、心血を注いだ商品でも誰も買ってくれなければ開発費も職員の手当も払えないわけで、利用者の方が「これなら買ってよいと思う価格」と提供する側が「採算がきちんと取れる価格」の整合を見つけて値決めをするという事が仕事を続けていくための生命線となります。

自費治療に関してもこれと同じことがいえ、努力して培った技術を「患者さんがこれなら受けたいと思う価格」と「材料費、人件費、光熱費、減価償却費を支払って医院が経営していける価格」というのを考えた末、治療費を決定しています。

保険治療は治療費が国により国民が利用しやすいよう一律で設定されている上、患者さんが支払われるのは0~3割ですから安いというのはある意味当然な話で、全額自己負担となる自費治療が高いと感じるのは当然ですが、実は「クリニックによる料金設定」が世界標準になります。

当歯科医院の自費治療費

当歯科院では矯正治療や審美歯科、インプラント治療などの自費診療の料金はすべて公開していますので、治療のご相談にお越しの際には料金表をご確認の上ご来院くださいませ。

時々いらっしゃるのですがご相談をお伺いして「ところでいくらですか」と聞かれ値段をいうと「え゛!!そんなに高いんですか?!」と言われる方がいらっしゃいます。
料金表をご確認の上お越しいただければ、このようなことを避けられ、無駄なお時間が削減できますのでご確認の上ご相談頂けますと幸いです。

矯正治療(自費治療)費用

矯正治療は伝統的に着手の時に治療費がかかり、その後調整毎に調整料がかかるという構成になっています。
何故か歴史的にどの矯正でもこの方法です。

逆に言うと他の料金体系の医院は生き残っていないと言う事かもしれません。
「値決めは命」ということかもしれません。
医院によって様々で最初に一括で料金を納めて、後は無料という歯科医院もあります。
※クリニック側からすると、一括支払いの場合は、日矯正の調整の患者さんだけ20人入っていたとするとその日は忙しかったのに売り上げは0と言う事になります。
正直この場合はクリニック経営は厳しくなります。

後述しますが当院では調整毎に調整料を頂いております

矯正治療機能矯正治療の費用

当院の機能矯正治療は料金体系がやや変わっています。
「機能矯正」と「バイオプログレッシブ」の2段階の治療を取っているため、それぞれの着手時に治療費を頂いております。

診断料:税別35.000円

機能矯正の生命線は診断にあります。
※主体はビムラー分析でこの分析にコンピューターを使うのですが、今のところアウトソースしています。

内容は
口腔内写真
模型の印象
パノラマレントゲン写真
ビムラー分析のためのセファロレントゲン写真
お顔の写真(正面、側面)
で、所用時間30分程度(、分析の結果が出るまで約一週間です。
料金の支払いは分析当日になります。

第一段階治療費:税別300.000円

診断が出てどのような道筋で治していくかが決まりましたら、治療プランに適応した機能矯正装置を製作します。
診断のご説明をさせていただき治療が確定しましたら、第一段階の料金(税別300.000円)をご精算いただいて装置をご準備します。
※当院の自費治療はご料金をご精算頂いてからの治療になります。
※機能矯正装置(機能矯正)での治療が中心となります。

第二段階治療費:税別300.000円

第一段階が進捗して骨格的な問題が解決してきたら歯を整える治療に進みます。
※機能矯正装置のみでも治療が完了する場合は第一段階だけでも問題ありません。

第二段階では方法は基本的にバイオプログレッシブをとりますが患者さんの状態で定型は無いともいえます。
※小児機能矯正では主に側方歯の交換が始まる次期成人機能矯正では、「これで歯を整えれば治癒に向かう」と確信が持てたときに第二段階へ進みます。

毎月の調整費:税別0円~5.000円

矯正治療は設定した方法で治療の進捗をみながら、概ね月に一回調整を入れていくことで治療を進めていきます。
機能矯正装置の調整やバイオプログレッシブのワイヤーの交換を行います。
※治療の内容に関わらず税別5.000円。
※治療の必要上、月にもう一度ご来院頂きたい場合がありますが、その場合は税別3.000円頂いております。
※3回目以降は頂きません。
※装置の使用に伴う、やむを得ない修理、使用法が間違ったための修理は都度見積もりでお支払い頂いております。

リテーナー費:最大税別10.000円程

治療が終了してきれいな歯並びとなった以降、その歯並びを維持し、さらに咬みあわせ等を安定させていくためにはリテーナーが必要になります。
※意外と皆さん見落とされていますが、この段階で歯が並んでしまったら後は何もしなくていいと思いがちです。

歯並びは日々変化しており、不正咬合があった人は治ったように、いえても元に戻ろうとする傾向が強くあります。
リテーナーは治療の結果を維持進展させるためにとても重要です。

アライナー矯正の費用

 

アライナー矯正は簡単な歯並びの修正には有効な治療法ですので、当院でも症例によってはアライナー矯正をお勧めする場合があります。

アライナー矯正は悪い歯並びの状態の模型を作り、模型を切り分けて正しい歯並びに近づけ、再組立てし、そこに熱可塑性のシートでアライナーを作り、口の中に入れてアライナーの弾性で歯を動かすのがアライナー矯正です。

アライナーの素材によりますが一度に動かせるのは0.2ミリ程度ですので、1ミリ歯を動かすのに5枚のアライナーが必要になります。

ここでアライナー矯正の実態と誤解されている方のためにご説明させていただきます。
時々いらっしゃるのですが、ワイヤーでは治せないがアライナーなら治せると思われている方がいます。
これは全く間違いで、ワイヤーで1か月で治るところアライナーは3か月かかるというくらいの見当で良いかと思います。

また、アライナー矯正は使ったアライナーの枚数で料金が変わりますので、あまり枚数がかさむと高額になってしまう点をご理解ください。

スマイルトゥルー矯正の特徴と費用:税別400.000円程(20枚)

スマイルトゥルーとはアメリカのDrスキップ・トゥルートが開発したアライナー矯正です。

「アライナー矯正の元祖インビザラインを改良した」といわれたもので、本来の特長は「症例を難易度によってレベル1~4に分類しアライナー矯正に可撤式の矯正装置を併用して治す」というものですが、日本ではアライナーのみの部分レベル1と2のみが供給されています。

インビザラインと同じく初診1回の型取りで治癒までのアライナーを制作してしまうものですが、1段階ごとに3Dプリンターで制作した模型ごと納品されてきます。

1枚のアライナーで動かせる距離は0.2mmで変わりません。

初診の診断はアメリカの分析センターで行われ(税別20.000円)、結果はコンピューター上で提示できます。
料金はアライナー1枚当たり税別約15.000円ですが、一括納品のため診断に基づき見積もりを提示し良ければ制作着手となります。

アソアライナー矯正の特徴と費用:[1パターン上か下片方]税別20,000円 [上下同時]税別38,000円

アソアライナーはインビザラインなどの一括制作のアライナー矯正が枚数が多くなると、どうしても誤差が生じ後半で合わなくなってくるという欠点があるのを改善した治療法で、1枚アライナーを使う毎に型取りをして都度設計をしていくというものです。
※初診段階での診断料はかかりません。

都度のアライナー印象時に料金をお支払いいただくことになり、治るまでまたは御納得いただけるまで治療を行います。
最終的な治療費が終わるまで分からないので確実に数枚で終わると言う症例ではほかの矯正よりお安くなります。

まとめ

自費治療の料金は医院の裁量で決めており各医院によって同じ治療でも料金も体系も異なります。
それだけ自由度が大きく良いものにであれば保険治療では得られない結果と魔族度がえられます。
もちろん逆もまた真です。

自信がある医院では高めの設定となり無い医院では安い設定となる傾向があります。
「安い」といって飛びつかず、「高いけどただのボッタクリ」というクリニックがあるのも事実のため、たいへんだと思いますがいろいろご検討の上主治医院をお決めください。

当院の機能矯正治療(矯正歯科)の詳細はコチラ

機能矯正(矯正歯科)と咬合(かみ合わせ)理論:機能矯正治療のゴール

機能矯正治療のゴールとは

機能矯正(矯正歯科)は歯並びというよりかみ合わせ(咬合)の完成をゴールと見据えています。
歯列矯正では咬みあわせより歯並びを重視する傾向がありますから、このあたりが機能矯正と歯列矯正の違いといえるかもしれません。
では、かみ合わせのゴールとはなんでしょうか?

咬合理論とは

咬合を考えるとき顎が静止している場合の咬合と顎運動がおこり下顎が様々な運動している場合を考える必要があります。

:顎の静止状態(セントリックリレーション、ロングセントリック等)

静止状態の咬みあわせは咬合運動の起発点となり終着点となるので非常に重要です。

ここが安定していないと顎は全く落ち着くことができないために、常時不定運動を続けることになり歯ぎしりの原因となります。
これをセントリックリレーションと言います。

セントリックリレーションが完全に失われるとかみ合わせは崩壊します
安定させるためには歯が尖がった部分と溝の部分で咬みあっている必要があります。
またこのような咬合関係を完成させることが、機能矯正治療のゴールと当院では考えています

:下顎が運動することによる歯の滑走

動的な場合はどうでしょうか。

顎運動は上顎は動きませんが動くのが下顎なので下顎運動として分析研究されてきました。
いろいろな計測器具を駆使して下顎運動を描記し、パターン化して普遍的に再現しようという試みが盛んに行われています。

1962年、スェーデンのPosseltによって紹介された運動範囲菱形柱があります。
これは下顎の切歯点の運動経路を3次元的に描記したもので、今でも顎運動の考え方の基本となっているものです。

このうち矯正で重要なのは、切歯が咬合の接触状態で前方および側方に運動した場合のカラスの足跡みたいになる図形、いわゆるゴシックアーチといわれるもので、
矢状切歯路角(真横から見たときに下顎が前方にずれていくときの角度)
側方切歯路角(真上から見たときに横に滑走させたときに出る角度のこと)
は咬合回復の目安となり、顎関節症の診断をするときにとても重要になります。
ゴシックアーチを離れ歯が滑走ではなく開口運動を始めると
運動の主体は顎関節となります。
顎関節が健康であれば運動は二つの弧を描くこととなります。
矯正治療にとって重要なのは
最初の弧、ターミナルヒンジアキシスから閉口に至る過程が干渉なくスムーズにいくことです。
ここに干渉が生じれば顎関節が障害され2番目の開口運動も障害されることになります。

ギシェーによるとゴシックアーチは前歯から側方歯でも描記され、最終的には顎関節も描記しているとしています。
顎関節は咬合的には第四の大臼歯であると考えると、歯の運動と顎関節の運動は調和がとれている必要があるということになります。

もう一つ重要なのは運動菱形柱は3次元的な解析で、側方から見た場合の下顎の前下方への運動描記されています。
この運動路は前方はもちろん切歯によって誘導されているのですが後方は顎関節によって支えられています。

下顎が前下方に運動すれば当然顎関節も前下方に運動することとなり、この時両者は調和がとれていることが必要になってきます。
つまり下顎運動はすべて切歯の誘導と顎関節両者の調和のとれた誘導が必要になるわけであってこれは成長の過程で成長とともに獲得されてきます。

機能矯正の基礎「ナソロジー」について

当院の咬合理論はナソロジーに基礎をおいています。

ナソロジーとは1920年代に、アメリカのMcCollumとStallardによって創設され、健康な歯を持つ高齢者の口腔内を観察することにより、偏心運動中に前歯にガイドされて臼歯部歯列が上下方向に離開し、また咬頭嵌合位では前歯は約25μ程度の間隙をもち、臼歯部歯列だけで垂直方向への荷重を負担していることを明らかにしました。
そして、理想的な咬合は、前歯が臼歯を保護し、臼歯が前歯を保護する作用を観察し、この咬合様式をミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョンと名付けたのです。

このミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョンこそ機能矯正がゴールと目指すかみ合わせなのです。

ナソロジー本体のテクニック的なところ(ワクシングコーンテクニックなど)はあまりの煩雑さで現在行っている人はほとんどいなくなってしまっていますが、だいたい今行われている手法はナソロジーを簡略化して実践されています。
「歯を削らず補綴」ではなく「矯正治療的」に実現しようとしているのが当院の機能矯正です。

歯科矯正治療と顎関節症

小児歯科矯正を行っていると成長とともにかみ合わせを正常に育てていくことになりますから、当然顎関節も正常に成長していき最終的には調和がとれて完成します
補綴をせずともナソロジー的な咬合が自然と獲得されてくるわけです。
それが顎関節とともに育つため当然に調和がとれているわけです。

成人(大人)歯科矯正ではすべて完成したところから再構成する治療になりますので、歯列は変化させられますが顎関節はすでに完成してしまっているので形態的に再生することはできません。

今ある形で関節の運動に無理がかからないように治療しなければならないのですが、失敗すると顎関節症を発症してしまいます。

成人機能矯正の第一段階はまずこの顎関節の動きを正常化します。
顎関節に一番負担がかかるのは切歯路と関節の運動路が不調和の場合です。

機能矯正ではまず自然獲得した関節の誘導路を取り戻すように、不正なかみ合わせ力の治療が第一段階に含まれていますから、歯列が整った時は関節と切歯の誘導路は調和がとれていることになりますので治った後で顎関節症にはなりません。

抜歯と顎関節症について

4抜歯矯正がしばしば重篤な顎関節症を引き起こすのは4抜歯のあと前歯部分を後方に牽引してしまい、切歯点を後方に移動させてしまう事により切歯路の角度が関節の運動角に対して急斜角化するためではないかと考えられます。

切歯点だけ後方に移動してしまえば、顎関節との物理的な不調和が生じ運動路が変化してしまった顎関節が障害を受けます。

逆に言えば切歯点の位置が変わらないのなら、4抜歯矯正をしても問題ないのであって極稀に抜歯矯正できれいさっぱり治ってその後何も問題のない人がいるのはこのためです。

つまり
「4を抜いたら3が4の位置に入り込んであとは何もせずに治ってしまった」
というような方は4抜歯が適応だったという事です。

4抜歯がすべて悪いわけではありません。
しかしそれを金科玉条にしてすべて強引に適用すれば副反応が起こる方が出ます。

当院での機能矯正治療のゴール

機能的に考えるなら歯列がきれいに並んでいるのみならず咬合機能が回復していなければなりません。
咬合論的に考察すれば歯科矯正治療も顎関節を考慮しさらにミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョンを目指すことが必須になると考えます。

この観点に立つならどの歯を抜くか抜かないかということも自ずと明らかになるはずであって抜歯をすることが何故か既得権を得るようになってしまって、抜歯ありきという治療になってしまっては本末転倒ではないかと思っています。

矯正治療が終わって
・治療して本当に良かった。
・機能矯正治療をやって幸せになった。
・苦しみから解放されて毎日とても楽に暮らせるようになった。
と患者さんに思って頂き、患者さんの生活の質を向上させることこそ、当院では機能矯正治療で本当に目指すものと考えています。

当院の機能矯正治療(矯正歯科)の詳細はコチラ

「保存修復」が基本だからできる当院独自の歯科矯正:院長の学生時代

今日は私が歯科医になったころの話をしたいと思います。
私は機能矯正を長年やっていますが矯正専門医ではありません。
ですが自分でいうのもなんですが矯正歯科は得意としています。

私は矯正治療の臨床を始める前に歯医者の基本ともいえる虫歯をしっかり直し、ブリッジをしっかり入れて良く咬める入れ歯をたくさん作り、歯医者の地力を鍛え、経験を踏まえた上で歯科治療の一環として矯正治療の技術を習得しました。

そこで今回は私の「「保存修復」が基本だからできる当院独自の歯科矯正:院長の学生時代より」についてお話させていただければと思います。

院長の大学時代の研究・研修

私は卒業してすぐ大学では「保存修復科」と言うところに在籍していました。
保存修復と言うのは虫歯の治療を専門に研究する科です。

虫歯の治療と言うと歯医者なら当たり前の技術と思われるかと思いますが、まず当たり前のことがしっかりできることがいい歯科医への第一歩だろうと考えこの科に入局しました。

歯の削り方の習得

「歯医者は歯を削るところ」というイメージをもっている方は多いと思いますが、ただやみくもに削っているわけではありません。

まず虫歯でだめになってしまった歯をきれいにし、下地を整えてから歯をきちんと修復できるように形を整えます。

初段階では基本形態があり、アンダーカットなく外開きにすること、幅は歯の幅の1/3以下にすること、窩洞(削った穴)全体の形を鳩尾形に(なだらかな曲線の連続)することなどを意識した上で様々な原則に従って歯を彫刻のように形成していきます。

石膏模型での技術取得と実践

研修では最初からなかなかできるものではありませんので、最初は4倍の大きさの石膏模型で練習をします。
石膏模型も石膏の塊を作って自分で彫刻して作りました。

研修を元にイメージを完全に頭に入れてから実際に患者さんの口の中で実践を行います。
頭でわかっていても実際口の中で削ろうとすると、見える角度が限られ多くの死角があり、何より口の中は狭く入口が一か所で、患者さんによって口の開け方もまちまちですから簡単にできるものではありません。

皆さんの嫌いな切削器具ですが、口の中に真っ直ぐ入れるというのは至難の業なんですね。

「どうしても斜めに傾いてしまう。」
「真っ直ぐ削ったつもりの歯が印象(型)を取って石膏を流して模型にしてみるとゆがんでいる。」
「ゆがんでいるときちんと詰められない。」

いろいろな問題を経験した上で徐々に補正を入れて器具を入れる角度を研究していきました。

器具を入れる角度の研究

上の歯とか奥歯の向こう側は見えないから鏡を使って見る。
ところが鏡を使うと反対に映りますから手も逆に動かさないといけない。
これがまたまた難しい。

最初のうちは何が何だかわからず時間が過ぎていくような毎日だった気がします。
頑張れば慣れるもので1、2年すると何ともなくなってきます。
今では「ほとんど何も考えなくてできる」ようになっています。
「いつまでたってもできない」といわれる技術でもあります。

接着技術

さてこの当時もっとも重要な保存修復の研究課題が「接着」でした。

今でこそ歯科治療は接着なしには語れないほどポピュラーな技術になっていますが、私が歯科医師免許を取ったころは「歯に物は接着できない」と公然と大学の授業で語られるほど口の中で接着操作をすると言うのは困難な技術でした。

まず口の中は常時湿っています。
当然歯の表面も湿っています。

歯はエナメル質と象牙質という特性の異なった二つの成分から構成されています。
エナメル質は歯の表面を作っている成分で人間の体の中で最も硬い成分です。
96%は無機質で残りが水と有機質です。

モース硬度と呼ばれる硬さの指標が7と言われ硬さだけでは水晶並みです。
ダイヤモンドのモース硬度が10ですからその方さが分かると思います。

象牙質はエナメル質と全く特性が異なります。
モース硬度は5~6でやや柔らかく70%が無機質[ヒドロキシアパタイト)、20%が有機物(膠原繊維(コラーゲン繊維)と非膠原性タンパク質)、10%が水分です。

長い間歯を接着から遠避していたのはこの象牙質に含まれる水分とコラーゲンでした。
またコラーゲンは歯髄と交通しており、強引にコラーゲンに接着しようとすると歯髄が死んでしまい医原性のトラブルを引き起こすことでも知られていました。

クラレクリアフィルについて

この歯への接着と言う難関を最初に実用的に突破したのは日本のクラレクリアフィルという製品です。
ちょうど私が大学を卒業したころに発売されたクリアフィルは、その当時の保存修復には欠かせない画期的な充填剤として広く使われていました。

クリアフィルの接着様式は初期の製品ではエナメル質だけに接着するものでした。
エナメル質と言うのは均一に表面から垂直方向に構造線が入っており、この構造線をリン酸で溶かしできた細かい線(エナメルタグ)の間にBisGMAというサラサラのレジンを流し込みその上に本体のレジンをとめます。

このリン酸ではの表面を溶かす技術をエッチングといい、時間の管理がとても難しく短すぎると効かないが長すぎるとエナメル質が全部溶けてしまうという厄介な物です。

また象牙質はエッチング剤を長く作用させると無機成分がすべて溶けてしまい柔らかい有機成分だけが残る形となり修復操作を失敗させる原因となったりしました。

ですから初期型のクリアフィルはテクニックエラーに敏感でうまく行ったものはいつまでもきれいだけどちょっと何かがうまくなかったものはすぐに変色したり取れてしまったりするという代物でした。

今は改良が重ねられ、エナメル質にしか接着しなかったものがむしろ象牙質に強く接着するようになり、格段に耐久性も審美性も向上しています。

当時は現場と研究者が必死に開発したものが今臨床現場で活躍していると思うと少しうれしかったりします。
その創世記に臨床に入れたという事を自分的には誇りに思っています。

今までの経験をいかした歯科矯正

接着と言うと今の矯正治療には接着は欠かせない技術です。
今の矯正治療は接着なくしては成り立ちません。

マルチブラケットしかり、舌側矯正しかり、保存を歯科医人生のとっつきに選んだのは大正解だったと日々臨床を重ねながら思う事久しいです。

矯正治療も同じだと思いますが、まずしっかり正しい方向を見据えて、一歩一歩進んでいくことがうまく行くコツなんじゃないかと思っています。

当院の機能矯正治療(矯正歯科)の詳細はコチラ

なぜ歯医者が嫌いですか?

今日は歯医者が嫌いという話をしましょう

 

なぜ歯医者が嫌いですか?

 

世の中過剰と思われる仕事の3巨塔が

歯医者

美容院

接骨院

 

と言われています。わたしはこの中で一番弱いのは歯医者だと思っています。

 

なぜなら

髪は必ず伸びてくるから美容院は定期的に行かなければならない。

接骨院でマッサージしてもらうと気持ちいいからまた行きたくなる。

それでは歯医者は?

歯医者は世の中で行きたくないところ

ダントツの一位

それと虫歯はあると困るが治してしまえばそれで終わり。

つまり

3過剰の中で資源が有限なのは歯科だけなのです。

 

そのうえ

 

日本人が行きたくないところダントツの一等賞歯医者なのです。

 

資源が有限なうえに行きたくないところ一位とは何とも情けない限りです。

 

そのわりに潰れないのも歯医者の特長かもしれませんね。

美容院や接骨院はたびたび見なくなることもあります。

が歯科医院はあまりなくなることがないように思います。

 

幸い日本には健康保険制度があるので

全くお客さん負担の美容院さんや

患者さん単価の低い接骨院さんよりは経営が楽なのかもしれません。

ま、最近はそうでもなくてちょいちょいなくなる歯医者もあるようですが。

 

と言う事は歯医者嫌いをなくすことができればもっと歯医者に通いたい人が増えて

過剰感はなくなってくるのかもしれません。

歯科医の中にもそれに気づいていて

何とか歯医者嫌いを減らそうと頑張っている先生もいます。

かく言う私もその一人で

何とか歯科嫌いを減らそうと微力ながら頑張っているわけです。

 

さて

ではなんで歯医者が嫌いになるのでしょう?

 

まず切削タービンのキーンと言う音

それから最近は使わなくなりつつありますが、フェノールを使う事によるあの独特のにおい

それと何よりも治療の痛み

これが歯医者の嫌われる3大要素と言われています。

 

ひとつ気が着くことはありませんか?

 

この三大要素のどれも

虫歯治療するときに発生するものなのです。

つまり虫歯にならなければ何も歯医者を恐れることは無いことになります。

もちろん歯医者嫌いになる一番の原因は治療に伴う痛みです。

歯は脳に近いため歯の神経の痛みは身体の他所の箇所に比べて耐え難いと言われています。

要は虫歯にしなければ治療の必要はないわけですから歯医者が怖くなる要素は無いわけです。

治療に来なければ何も恐れることは無い。

虫歯のない人ははあまり歯医者が嫌いではないようです。

では歯医者嫌いいつ生まれるのか?

私たちが歯医者嫌いが多いなと感じるのは50代ぐらいの方です。

これは歯医者嫌いで歯科医院を拒否し続けていたものの

さすがに虫歯の痛みに耐えられなくなったり、歯が無くて物が咬めなくなって

止むにやまれず歯科治療においでになって歯医者嫌いとして認識されているのがこの年代ということなのではないでしょうか?

歯科の来院年齢をグラフにすると2つ山ができると言われています。

ひとつは8歳から12歳くらい

もう一つが50歳の近傍。

これは推測ですが

この一つ目の山が歯医者嫌いを作り出しているのでは無いかと思っています。

一つ目の山はもうお分かりだと思いますが

学校検診です。

6月くらいに全校生徒が一斉に検診を受け治療勧告書が渡されて歯医者で治療をして

学校に完了報告書を提出するというあのイベントです。

一昔前は検診のシーズンになると待合室が子供であふれたものでした。

今は歯医者が過剰になり行きやすくなりましたが

昔は歯医者の予約を取るのが大変でしたよね。

それでやっと行けたと思うと大混雑で

いやいや口を開けると問答無用で歯を削られる。

しかもやたらと混んでいる。

しかも痛い。臭い。たいした虫歯があるわけでも生活に支障があるわけでもないのに

キンキン歯を削られる。

嫌なんだけど勧告書が来ているのでハンコがもらえるまで通わなくてはならない。

良い要素が一つもありませんよね。

これで歯医者が好きになれと言うほうが無理な話です。

治療が終わったはずなのにまた翌年になると勧告書が来る。

また同じことがループして義務教育がおわると勧告書から解放され

「もう金輪際歯医者に行くもんか」と強く決断して

歯医者の入口にすら近づかなくなる。

・・・・

これが歯医者嫌いが生まれるストーリーです。(私の推測ですが)

いかがですか?

 

いつも思うのですが学校検診と言うのは無くていいんじゃないかと。

せめて統計のデーターベースにするだけにして

治療勧告書は出さなくてもいいんじゃないかと。

 

なぜなら学校検診はみんなで苦労して結局日本人の歯医者嫌いの源泉になってしまっていると思われるからです。

歯医者が嫌いにならないためには治療をしなければいいと冒頭で書きましたが

治療勧告書が来ているから本人には選択権が無いわけです。

そして歯医者嫌いの一番の問題点は

 

治療だけではなく予防も嫌いになる

と言う事なのです。

ま歯医者そのものが嫌いになるのだから

歯医者でやることすべてが嫌い

というのはわからなくもありません。

 

当然予防しないのだから歯は悪くなります。

そして金輪際行かないと決めていた歯医者にしぶしぶ行くことになります。

するとなんと悪くなっていたのは学校検診で嫌々治したあの歯だったりします。

 

さっき検診の時期になると歯医者が混んでと言いました。

混めば治す側の手が抜けますから

治療の質も悪くなります。

中には治さなくてもいいはを削られていることまであります。

それが悪くなって痛みを出したりして

決意もむなしく再び大嫌いな歯医者に行く羽目になります。

そして治療が終わると

「やれやれひどい目に合ったもう金輪際来るもんか」

とやりっぱなしにします。

そしてまた別の歯が痛みだし・・・という無間ループが始まります。

 

この歯が痛みだすのがだいたい50代になってからが多いのです。

 

とうぜん予防をしないのだから次から次へと歯が悪くなりますし

我慢を重ねて治療を遅らせるので重症化しています。

 

歯医者が嫌いな人はなにか自分が悪いような

後ろめたさを持たれているのではないでしょうか?

しかし私に言わせれば歯医者嫌いを作っているのは行政であり

施行している歯科医なのです。

歯医者嫌いを作ってしまうことの罪深さは

「予防嫌い」を併発させてしまうしまうことです。

予防をしなければ治しても治しても悪くなってしまいます。

歯医者に金輪際行かない、と言う事は現実的には不可能です。

 

怖いのは治療ではありませんか?

予防をしっかりやれば

「治療を金輪際やらない」ことは可能になります。

歯医者が嫌いなのは貴方が悪いわけではありません。

しかし自分の歯を守るのはあなたの決断にかかっています。

嫌いな歯医者に飛び込んでください。治療でなくて予防のために。

あと、すでに歯医者嫌いになってしまった人のために

当院ではなるべく痛まない治療に心がけています。

と言ってもできることも少ないのですが

精一杯

アライナー矯正(3)

アライナー矯正について

着脱装置を使用した機能矯正をやっていると「このまま装置だけで治せないか」というご希望にしばしば遭遇します。
機能矯正装置は主に顎骨の成長を促したり左右非対称を改善したりするもので歯を並べる能力を持っていません。
従って機能矯正装置で骨格的な問題が解決しても歯列不正は残ったまま、または、子供さんの場合だと歯が萌出する場所的な問題が解決しても曲がったままで生えてきてしまう事もよくあります。

そこで歯列をきれいにするためにはおなじみのブラケットワイヤーが必要になります。
歯のねじれや角度の狂いは正確に調整のできるブラケットが最も適しているからです。
ごく例外的に機能矯正装置だけできれいな歯列が完成することもありますが10人のうち一人二人ですね。

それもたいていは6歳くらいからはじめてこつこつ治療をすすめた人で、一年二年機能矯正装置を使ってきれいさっぱり治ると言う例は見たことがありません。

中にはある装置を使えばなんでも治ると主張している人もいますがどうなんだろう、と思ってしまいますね。
できないことに希望を抱かせて結局裏切ってしまうより、最初からいちばん難しい覚悟をしていていただいて結局それより軽くすんだと言うほうが患者さんの満足度は高いように思うのですがどうでしょうか。

さてそこでアライナー矯正です。
ブラケットを全く使わずに歯をきれいに並べられる着脱装置はアライナーくらいしかありません。
前回、老舗のインビザラインと新進のアソアライナーの二種類のご説明をしました。
どちらも一長一短がありますが、今回説明するSmiileTRUというシステムはいわばインビザラインとアソアライナーの中間を行くようなシステムです。

商品のキャッチは今までにない画期的なんですが、そこまでは言い過ぎかもしれません。
インビザラインに似ていて初診一度型取りで最終までのアライナーを作成しますが、決定的に違うのは3Dプリンターで実現化した模型の上でアライナーを作り、それを模型ごと納品してくれるという点です。
つまりアライナーをなくしたり壊したりしても模型があるので再制作できるのです。

欠点は価格でアライナーが5~6枚程度で終わるケースでは割安になりますが、もっと枚数のかかるものでは逆に割高になります。
また枚数のかさむ難しいケースでは、初診一回の型取りではさすがに難しく、途中で型取りと計画の見直しが必要になることがあるということです。

どちらにしても強制的に歯を動かせるブラケットワイヤーに比べて、アライナーは歯にかかる力が弱く動き方も緩慢で即応性はブラケットワイヤーに代わるものではありません。
ただ矯正治療でいちばんのネックとなる歯にブラケットを付けると言う事が回避できるのでアライナーなら矯正治療をやってもよいという患者さんが少なからずいらっしゃいます。

SmileTRUのもう一つの特徴は診断と設計をアメリカの矯正専門医がやっていると言うことがあり、一つの安心材料ではあります。
もともとアメリカでもセレブの間ではブラケット(あちらではブレースと言います。)を使わないで矯正を完結させるというのがステータスだそうで、脱着装置で治療を完結できるアライナー矯正は選択肢として大きいようです。

実際機能矯正で大きな問題を解決してしまえばあとはアライナーで仕上げるのもありでというわけで、当院のスタッフの場合はまず機能矯正で治せるところまで治してその後SmileTRUで治療を続けて完治に至らせる流れになりました。

 

これが機能矯正終了時のお口の中です。

前回投稿の初診時写真と見比べていただければかなり良くなっていることが観察されると思いますがまだきれいな歯列というわけにはいきません。

このあたりが機能矯正装置の限界ですがここでワイヤーを使えればわけもなく治せてしまいます。
それがダメと言う事でSmileTRUを使いましたが

ここまで治すことができました。

すこしクラウディングが残りましたが問題になるようなものではなくご本人もいたって満足されていました。

第一選択ではありませんがご希望によってはこのような選択肢もあるということです。
アライナー矯正をお考えの方も機能矯正と組み合わせることでかなり治療幅は広がりますのでご相談ください。

 

アライナー矯正(2)

アライナー矯正について

さて前回の続きです。

通常機能矯正で治療が終了し、あとは歯が並べばよいと言うところまで来たらバイオプログレッシブメソッドで歯列矯正をしていきます。

ところが、さあ後半に入りましょうと言う段になってブラケットワイヤーを絶対使いたくないという要望をだされたのです。

これは少々参りました。バイオプログレッシブは理論はともかく実践面ではブラケットとワイヤーを使うからです。

機能矯正装置は歯をきれいに並べきる能力は持ち合わせていません。

ごくまれに機能矯正装置を使っているうちに歯がきれいに並ぶこともあります。

ただこれはとてもラッキーなケースでとこにこの人のように重篤な歯列不正を伴っていた場合、これをきれいに仕上げる能力のある装置はありません。

ブラケットワイヤーを使わないで歯列を整える能力のある矯正技法。
可能性のあるのはアライナー矯正でした。

アライナー矯正とは

透明の熱可塑性シートを模型上で歯をセットアップした状態で制作して、矯正の進捗とともにアライナーを交換していくというものです。

古いところでは「インビザライン」というものがありドクターにマニアのような方がいるようです。

ただこれは開発当初なかなかうまく行かなかったようでAAOの機関紙に供給会社から
「ケースの見極めをしっかりやってください。」
という文書が掲載れているのを目にしたことがあります。

「インビザライン」の特徴は初診のときにひとつ印象を取るだけで、完治までのアライナーをすべて制作して一括納品してくるという点にあります。

その間の診断や治療途上のセットアップはコンピューター上で行うのですが、その作業をやっているのは会社のオペレーターで必ずしも歯科医師ではないようです。

インビザラインを熱心にやられている先生は、この途中の経過を詳細に検討し細かい修正を出して納得がいってから制作にからせるそうです。

インビザラインは当院では対応していません。

この方法の欠点はあまり込み入ったケースをやると途中で口の中の状態とアライナーが合わなくなってしまうと言う事があります。

その場合はその時点からまた設計をやり直すことになります。

最近はアライナーブームであちこちの会社が出していますが、理屈は一緒ではに一定のテンションをかけ続ければ動くというものです。

ですから歯列が乱れている人に正しい歯列のテンプレートをかぶせれば、正しい歯列になるというものでその時に歯が動くスペースをどうやって作るか、アライナーの材質や一回に動かす量はどれくらいにするか、また動かしていくプロセスは一括でやってしまうか、都度診断でやっていくかというようなことで各社の違いが出ています。

当院で使っているアライナー矯正の一つがアソアライナーというものです。

その名の通り矯正技工所の大手ASOインターナショナルが開発したもので、開発はオーストラリアの矯正の大家デレク・マホーニー先生がやられたそうで、私はマホーニー先生ご本人のセミナーでこのシステムの勉強をしました。

このシステムの特徴は、一つのステップを終了した後印象を取りなおして都度診断をして次のアライナーを制作する。それを重ねて行って治癒に導くというものです。

先ほどのインビザラインが初診一回の印象で、完治まですべてのアライナーを制作してしまうのに対し手間はかかりますが、インビザラインが途中でもくろみ通りに治らなかったときに行き詰ってしまうのに対し、そのような失敗は起こらないという利点もあります。

ただし治療にかかった時点では、何枚のアライナーで治るかが見通せずということは料金がはっきり出せないという欠点があります。

当院でアソアライナーをやるときは都度払いにしていただいて、患者さんの経済事情と治り方を図りながら治療をするという手法をとっています。

軽い不正咬合の場合は廉価に治せるという利点があります。

 

さて、今お話ししている患者さんの場合、ここまで機能矯正で下準備はでき、あとは歯列を整えるところまで来ていましたが、ブラケットを着けるのがいやだと言う事でアライナー矯正を選択することとしました。

今回はインビザラインアソアライナーのお話をしましたが、次回いよいよケースに戻って症例を見ながら進めていきす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アライナー矯正(1)

今日は新しく表紙に出てもらった人の経過のお話をします。

表紙に登場してもらったのは矯正治療をしながら当院に所属していたスタッフです。

当院に来たときはこんな状態でした。
正直あまり笑わない子という印象でしたが口の中を見せてもらって
「ああなるほど」
と納得しました。

すぐに気が付くのは左上の2番が食い違いになっている、ということです。

次にわかるのは歯列の幅径が狭いということです。

じつはこの二つは関連していると思われ、まず側切歯が生えたとき、つまり6~7歳の時すぐにクロスバイトが出現しこれが原因で側方歯が生えるまでに顎の横への成長が阻害されて、きちんとした歯列が形成されなかったと考えられました。

機能矯正では通常永久歯の生えてくるところをつかまえながら、不正咬合になるのを防いでいくわけですが、このようにすでに不正咬合になってしまった方の場合
「この不正咬合はなぜ発生したのか?」
という考察から治療法を編み出していきます。

そのためには様々な資料を収集して、現状の把握と分析、そしてもし不正が発生しなかったらどのような状態になっていたかという分析を行い、正しい形になるべく近づけるには何が必要かを考察します。

おそらく歯列矯正と最も違うのはこの現状認識と治療のためのプランニングのところと思われます。
今回のケースの場合、どこに行っても抜くと言われたそうですが小臼歯抜歯が適応か否かは側貌を見ればわかるわけです。

おでこを前髪で隠しているのでわかりにくいですが、よく見ると、顔の中央部がやや陥凹していると観察されます。
小臼歯抜歯をすると中顔面は縮小しますから、小臼歯抜歯すればますます陥凹悪化して顔貌が崩れてしまいます。

この時の口の中はというと



というような状態です。
確かに抜いて並べたくなるのも分かる気もします。

陥凹顔貌の原因は右側切歯の食い違い咬合にあります。
前歯が後ろ側に押し込まれているため健全な成長が阻害されているのです。
抜いて並べると言う発想はこの後ろ側にある側切歯に全体を合わせると言う事になりますから、歯は並んだとしても顔貌はさらに悪くなり、何よりも今でさえがきちんと口の中に納まっていないのに、さらに口の中が狭くなったら舌はどこに行けばいいのでしょうか?

良く抜歯をしないと
「ゴリラのような顔になる」
という事を聞きますが、それは強引に歯だけを前に送り出せばそうなります。

私の主張でいえば機能矯正は歯列矯正ではありません。
歯列矯正は最終段階で仕上げとして出てはきます。

ちゃんと歯列も整えなければ治療といえません。

機能矯正部分が終わった途中経過はこうなります。

余り表示すると術前術後の比較と言われそうですがこれはあくまで途中経過です。
まだ完全ではありませんがかなり良くなりましたね。

ここからはいよいよ歯列矯正の出番となりますが、やることは歯をそのまま並べればいいだけでそんなに難しいことをやる必要はありません。

まだ術後ではありませんがゴリラ顔になりましたか?

窮屈なところに閉じ込められた歯を開放してあげたというのが治療の大筋となります。

余り気づかれていませんが、咬みあわせが悪いと体のいろいろなところに不具合が出ます。

どこがダメならなにという完全なケーススタディはできていないのですが、分かりやすいところではかみ合わせに起因する顎関節症
異常咬耗を伴う人の全身の不調感
歯ぎしりをする人の肩こり
などはよく経験します。

機能矯正で咬みあわせが改善した方でいえば、少なくともどこも悪くならなかったとか、なんだか快適になった、ということはよく聞かせていただきます。

さて、いよいよ歯列を仕上げていくことになりますが、なんとブラケットやワイヤーは使いたくないという要望がありました!

さてどうする?

シュガーコントロール有効な予防歯科か?

今日は私の考える予防歯科についてお話ししましょう。

 

○○が身体に悪いから食べるのを止めましょう!

という健康法はなぜか日本人にとても受けるようです。

この○○にいろんな食べ物を入れて検索をかけると

たいがいの食べ物が引っかかってきます。

 

いちばん有名どころは砂糖と肉ですね。

すき焼きを喰う人はみな短命なんでしょうか?

 

まあ砂糖虫歯の原因になるというのは

有名な話で砂糖ストレプトコッカスミュータンスによる不溶性グルカン(つまり歯垢)生成能は議論の余地はありません。

ところがグルカンを生成しない果糖でもう蝕は発生します。

 

またアメリカやヨーロッパ諸国では日本人の3倍もの砂糖を摂取しているのにう蝕率は日本人の3分の1という統計も知られています。

 

この違いに実は思い当たる事実を発見しています。

 

日本とアメリカヨーロッパの人の予防行動の決定的な違いは

 

「日本人はフロスを使わない」

 

ということです。

 

これは臨床家として長年虫歯治療に当たっていて

 

「永久歯列の人の虫歯は圧倒的に隣接面から発生している」

 

という事実に行きあたったのです。

 

フロスなんか使わなくても毛先みがきや音波歯ブラシを

使えば歯間のプラークなんか除去できるはず

という思い込みはブラッシング指導に口腔内カメラを導入して

見事に打ち砕かれてしまいました。

全く磨けないのです。

 

そして歯間をきちんと清掃するにはデンタルフロスが必須である

と言うことが数年口腔内カメラを使用した予防処置で判明してきます。

そこで驚いたのは大半の患者さんがまた高齢になるほど

フロスの使用に激しい抵抗を示すのです。

つまり日本の歯の予防の概念に「歯の間を磨く」という情報が欠落しているのです。

 

この事実はおそらく日本人は砂糖の摂取量が欧米人の3分の1で虫歯の数が3倍という係数の根拠となるものと推測しています。

 

虫歯予防したいなら

 

デンタルフロス」を普及させることの方がはるかに有効だと思います。

 

そもそも今の世の中で

「甘いものを全く摂らない」

という生活が可能だと思いますか?

 

昔と違って今は虫歯の原因にならない

しかも毒性のない甘味料がかなり出回ってはいますが

昔はそもそもシュガーフリーだった

昔というと

昭和30年代から40年代にかけて

かなり危険食品添加物が多く出回っていたみたいです。

 

終戦後完全に物がないと言う時代を抜けはしたものの

まだいろいろな物資が完全には戻っていないと言う時代

その上朝鮮戦争が終わって高度経済成長期に入って消費が活発になりはじめ

たためか、甘味料に関してはかなり人工のものが多かったようです。

 

サッカリンは今でも時々見られますが

発がん性の疑いで禁止になったチクロという甘味料もありました。

 

砂糖はもともと植民地だった台湾やフィリピンから運ばれてきたもので

太平洋戦争で南方からの物流が途絶えた日本では砂糖が高価で品薄だったようです。

 

そこでサッカリンズルチンという人工甘味料が多く用いられ

中でもチクロという人工甘味料は味が良く

このころ流行った粉末ジュースはチクロで作られていたそうです。

ズルチンは知りませんがサッカリンは甘いことは甘いのですが

味の基幹が苦味でありサッカリンで味付されたものは苦くてまずいものでした。

それに比べチクロ砂糖よりうまかったと言われ

私も子供のころによく飲んだ粉末ジュースはとてもおいしかったと記憶しています。

昭和45年にチクロが発がん性と催奇形性で禁止になり

世の中に「全糖」という表示があふれかえると

なぜかこのB級の菓子類がとても気が抜けたような味になって行ったのを覚えています。

 

もちろんチクロサッカリンズルチンに齲蝕原性はありません。

ではこのころの子供に虫歯が少なかったか?

 

そんなことがないのは虫歯が昭和30年代が40年代にかけて国民病と言われ

現在の歯科大乱立と歯科医師過剰の遠因になったことを考えると容易に理解できるでしょう。

人工甘味料の全盛期と虫歯の罹患の全盛が重なっていると言う事は虫歯の多発とが必ずしも砂糖の摂取のみが悪いのではないのではないか

という考察になるわけです。

 

要は磨き方

また磨くタイミングと頻度なのではないか

 

私の予防歯科はそんな考察から

効果的な歯磨きとは何かを考えた結果

お伝えしているものなのです。

 

気になる方は予防をご指名でお出で下さい。

予防に力を入れています。

今日は予防歯科についてお話ししましょう。

大東にし歯科医院では予防に力を入れています。

歯を治す=虫歯を削って何か詰める被せる。この行為は一見治療行為のように思えます。
ところが痛くなったらすぐ来ましょう。を実践されてこつこつ歯医者に通った人の口の中がどうなるか・・
奥歯は全部銀歯になり、糸切り歯から前は安物感が漂うプラスチッキーな歯が入る。そしてその後も痛くなったらすぐ来院
今度は銀歯の根元が腐って抜歯、そこに両脇の歯をつなげてブリッジというのが入ります。
次はブリッジがくさり歯をいちどに数本抜く羽目になり義歯になって・・・
これが痛くなったらまじめにこつこつ来院される方の通る道です。
一生懸命通院した結果が安物のプラスチックバネ付入れ歯というのはどうですか?
問題は、痛くなった時には、体の一部が溶けてしまっている、ということなのです。
溶けてしまえば、なにかでつぎをあてないきゃなら無い。そのつぎはぎの部分を治療と呼んでいるのです。
からだをまもり接ぎの歯をなくすためには歯が溶けるのを防がなければならない。つまり
「痛くない時に歯医者に行く」という時間軸を前倒しした考えが必要なのです。
これが「予防歯科」です。
歯医者が嫌いな方にとって虫歯もないのに歯医者に行くいうのはとんでもないことと思われるかもしれません。
特に50代前後の女性の方に多いようですが歯医者には金輪際行かないと心に決めておられる方がいるようです。
まあそれも虫歯の予防ができていればいいのでしょうが
たいていの場合歯医者嫌いの方は予防苦手
という法則性があります。

歯医者に行かない

歯磨きもしない

歯が痛くなる

我慢する

いよいよ痛くなる

我慢する

遂に限界になる

致し方なく目についた歯医者に転がり込む

適当で痛い治療を受ける

何とか治るがもう二度と歯医者に行かないと心に誓う

スタートにもどる

このループのどこが問題だと思われますか?
この人は延々応急処置だけを受け続けているのです。
応急で治療を始めて痛い思いをして治療が終わって
ほんとは早く治したほうが良いのにその歯が終わったら通院を止めてしまう。

せっかく治ったとしてもそれはその歯が虫歯から免責になったということを意味しません。
かぶせ物をした歯は天然の歯より抵抗力が弱いですから
より注意深いメンテナンスが必要になります。

虫歯の無間ループから抜け出した方が今回っているループは

定期検診の時期が来る

予約を取って

ゆっくり歯医者を受信する

痛むところ壊れたところはありませんと伝える

お口の中を点検する

現状の歯磨きなどの問題点を見つけ指導お口の清掃を受ける

一本も削ることなく終わりスタートに戻る
いかがでしょうか?
虫歯で来院されているわけではないので
削ることはありません。
痛いこともありません。
しかもこのサイクルをちゃんと繰り返す限り
歯を削る必要はないのです。

これが予防歯科です。

当院では予防のために専用のユニット(マシーン)を用意しました。
従来の長音波スケーラーもパワーフィードバック機能付となり
、 さらに歯の狭い生え際や間を無理なくきれいに 磨けるエバチップを使用できる往復運動型ハンドピース、
エアジェットでパイナップルの香りの水溶性粉末を 歯に吹きつけしつこいヤニや歯の黒ずみもピカピカにできる「ポラリス」
さらにさらにお口の状態をゆっくり見ながらご説明できる、大型モニター口腔内カメラまで、
考えられるほとんどの予防機材満載しました。
しかも低反発シートを使用し至高のすわり心地です!

運用するのはもちろん当院のベテラン衛生士です。 治療が終了した方はもちろん、予防だけをしたいという方も是非おいでください。 治療の終わった方はもちろん、点検したい、治療は終わっているから予防だけしたいという方も歓迎です。 是非おいでください。