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子どもの矯正何をいつ始めるか?

歯列矯正では3番が出るまで待つのが常識?

矯正歯科の常識とは

子どもの矯正と言うと犬歯が生えてからするものと言うのが

歯列矯正の常識です。

これは大学の歯科矯正学の講義で散々聞きました。

ところがこの考え方だと「歯並びを悪くして」から

歯を並べると言う方法論となります。

確かに歯並びを治すならこの考えも間違いではありません。

しかし治すべきは歯並びだけなのでしょうか?

矯正治療は8歳まで待てはどうなの?

犬歯が生えるのは早くて8歳くらい。

上顎の犬歯は永久歯のいちばん最後に萌出すると言われていますから

すでにめちゃくちゃな歯並びになっている子をみすみす何もしないで

放置すると言うことになります。

なんなら3番は待っても永遠に生えてこないという可能性もあります。

2022年8月現在、高1になって上顎3番が左右とも乳歯のまま

という方の治療を進めています。

正直めまいがするほど大変です。

子供の矯正では何を治すのか?

なぜ歯並びは悪くなるか

ここで考えなくてはいけないことは

なぜ歯並びが悪くなるかと言うことです。

歯並びが悪くなるのは本質的には

歯が並ぶ顎の骨の大きさと歯の大きさがアンバランスだからです。

歯の幅径の総和より顎の骨の大きさが小さければ当然歯は真っ直ぐに並ぶことはできなくなります。

これはすべての矯正理論に通じています。

異なるのは

ではそれをどうやってただしいかみ合わせにしていくのか

という理論と手法になります。

機能矯正はどうやって治していくのか?

一般的な矯正では顎が小さいのだから歯を抜かなければ治らないと考えます。

または並べるために後ろの歯をさらに後ろに押し込んで場所を確保しようとします。

機能矯正ではまず歯と顎の位置と大きさを計測し

顎が小さいのであれば顎を育てよう

顎が正常なのに歯が異常に大きければ歯を抜こうと考えます。

たたしこと日本においては顎が正常な大きさなのに歯が異常に大きかったというケースは

ほとんど見たことがありません。

以前海外の講師の先生のセミナーでそのようなケースを見たことがありますが

アフリカの人でした。

歯並びは呼吸によっても悪くなる

また、子どもの矯正では歯並びに大きな影響を持つものがあります。

それが呼吸機能です。

 

不正咬合のタイプにもよりますが

子どもの不正咬合は口呼吸を伴う事があります。

または呼吸機能に問題があったから

不正咬合になるという場合もあります。

良く扁桃腺を腫らす子供は口呼吸があり

口呼吸になるとかみ合わせが不十分であり

咬合というのは機能することによって完成していき

また咬合して機能することによって

歯並び自体もよくなっていきますから

必然的に口呼吸の人は

歯並びも悪い傾向が強いと言えます。

口呼吸のパターンの一例

口唇の閉鎖力が弱いため前歯部がちゃんと並ばない

この状態をセファロレントゲン写真で見ると

気道と言う呼吸をする時に空気の通る管が極端に細くなっている場合が多く見られます。

物理的にも軌道の狭さが確認できることもあり

歯並びが悪いから呼吸が悪くなるのか

呼吸が悪いから歯並びか悪くなるのか

どちらかというと

後者が主因だろうと思われるのですが

この二者は相互に関連しながら成長していきますので

どちらも正しい成長には欠かせない要素だと言えるでしょう。

アデノイド顔貌、口呼吸の結果顔が上下に長くなっている。当然歯もかみ合わない。

以前の記事でも述べましたがこの状態を長く続ければ身体的のみならず脳の発育にも悪影響が出てきてしまいます。

この観点から言うなら機能矯正を始める時期は早くて早すぎることはないと言うことになります。

実際3〜6歳で機能矯正治療を始めた方は私の記憶では軒並みたいへん良くなって

元気な中学生として勉強や部活です活躍されていました。

 

機能矯正とは歯並びが悪くなることを未然に防ぐものである

歯並びは生える前に改善するべし

機能矯正では歯並びが悪くなることを未然に防ぐ

ということを本質としています。

つまりもともとの骨格を歯が並ぶために十分な大きさに育てることができれば

歯並びが悪くなることなしに育つことができるようになります。

当然呼吸などの機能も正常な状態を保ちつつ育っていくことになります。

犬歯が出るまで待って8歳9歳まで呼吸を改善しない状態でいれば

6歳以前からしっかり脳に酸素が送り込まれていた子とは

ほとんど致命的とも言える差がついてしまうでしょう。

大人になってからは顎骨の大きさを取り戻すのは難しい場合もある

 

もちろんすべてうまくいくというわけではありませんし

歯だけが大きすぎるということもありうるわけです。

しかしながら歯が大き過ぎるのは後からなんとかなります。最悪抜けばいいわけですから。

しかしながら顎の大きさの回復は大人になってしまったら簡単にはできません。

機能矯正で一番大事なものは分析

何をすべきかを知るために

機能矯正で分析を重視するのは

何をどのように育てると健康な顎顔面が回復できるのかを

きちんと調べ何をするべきかを明確にするためです。

育てるべきところは育て抑制するべきところは抑制する。

それが的確にできるためには分析は欠かすことができません。

ただし3歳児では後日分析となる場合もある

例外的に最少年齢の3歳から機能矯正を始める場合

体を自分でレントゲンを撮影ための固定することができないと判断し

なおかつ機能矯正治療を必要と考えるに足る充分な所見がみられる場合

まず装置を使ってもらい6歳くらいまで育ってから分析を行って

治療の評価とそれ以降の治療計画を立てるという場合もあります。

充分な所見とは

左右非対称な場合とクロスバイトつまり歯の食い違いがあるばあいです。

これは早く解決しないと顎がゆがんで育って行ってしまうので

分析ができないならとにかく有視界飛行でも障害を排除し

なるべく正しい成長のラインに乗せてあげることが必要になってきます。

成長のフェアウェイ

フェアウェイをキープせよ

今正しい成長のラインと言いましたが

この成長のフェアウェイをキープすることが

機能矯正の最も重要な使命だと考えています。

機能矯正装置MUHアプライアンス<]上顎の発育促進に使う

 

診断を誤れば使ってもうまくいかない装置もある

装置の選択

とくにファースト即ち一番最初に使う装置の選択は非常に重要で

これを誤ると治療がうまくいかないだけでなく

装置が不快なため子供さんが装置を嫌がってしまい

その後の機能矯正治療に甚大な悪影響を与える場合があります。

これは既成装置を子供に使おうと思った場合にしばしば起こります。

既成装置は安価な反面とても使い心地が悪いので

万が一使えたらば治療成功と言われることもあります。

一度子供さんが嫌がってしまったら

その後いかに立て直すのがたいへんかは

お母さまなら何度も経験されていると思います。

また

ある装置を使えば本来の成長を超えて拡大をしていくこともできます。単純な拡大床矯正と呼ばれているもので

子どもの矯正を相談したことのある方は一度や二度は出会しているのではないでしょうか?

拡大と言う要素は確かに機能矯正でも重要な要素ですが

単純に横に広げても問題は解決しません。

使いようではあるが時に役に立たない場合もある装置の一つ

広げれば治るだろうと広げているうちに

適正な大きさを遥かに超えてしまったなどと言うのを何例も見ています。

これは正直治すのがとても難しい。

一度過拡大してしまうと元に戻すのが不可能なケースもあります。

フェアウェイをキープするためには何がフェアウェイかを見極める力も必要になりますし、これは意外に難易度の高い技術と言えると思います。

正解は見えているか

ですから健康な成長を促していくには

その子にとっての正解を常に念頭に置いていくことが不可欠と言えます。

それと重要なのは

何をするのかが見えたところで

そこに向かっていける「適切な装置」が必要だということです。

子供の矯正は矯正専門の知識や技術が無くてもできる

と嘯くコンサルタントの暗躍でろくろく効かない装置を数年使わされて

貴重な時間を無駄にしている患者さんがおられるのはとても残念なことです。

効く装置というのは

まずその子に合わせて作られたオーダーメイドの装置であること

そるからしっかりとしたアクリル樹脂で噛んだ時に硬質なフィードバックがある装置

ということができると思います。

 

さて今までの話をまとめてみると

では結局いつ何をはじめるのか

いつ何を始めるかまとめ

機能矯正を始める時期は

やりたいと思たときというのが正解なのだと思います。

理想的には6歳ぐらいで始めるのが

一番効果が上がりますからこれより年齢が上であれば

思い立った時が一番の適齢と言えると思います。

また

明らかなクロスバイトや左右非対称がみられる場合は

3歳からでも早すぎない、ということです。

そしてしっかりとした診断とオーダーメイドの装置を使用して

しっかりと成長を促進していくということがなにをするのかということになりましょう。

そして私の夢

私の夢は

私の機能矯正で日本中に

「元気なイケメン男子」と「優秀なキュート女子」がいっぱいになることです。

あなたの子供さんにもその第一歩を踏み出させてあげてください!

6歳より上ですが

こんな状態で治りました。

どちらがご本人にいいかは明白だと思います。

 

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