矯正治療で顔が変わる

歯並びを変えると顔が変化する。

皆さんは矯正治療で顔が変化すると言う事実をご存知ですか?

矯正治療できれいな歯並びになって顔だちもよくなるかと思いきや
頬がこけてしまい・・
などと言うお嘆きをよくネット上の投稿で見かけます。

4抜歯をするとなぜ顔が変わってしまうのか考えたいと思います。

4抜歯をしてもあまり顔が変わらない方もいます。

逆に極端に頬がこけてしまう方もいます。

抜歯矯正をされている先生は
よく
抜歯をしないと歯が口から飛び出してゴリラのような顔になる
と脅されますが
うちの症例を見ていただければわかるように
抜かなくても顔がおかしくなることはありません。

もっとも他の非抜歯矯正ではカッパのような顔になった人を観測していますから
何が何でも非抜歯ならいいとも言えないようです。

 

さて

それでは次の写真をご覧ください。

抜歯矯正後の患者さんの口腔内写真です。

素晴らしい仕上がりです。

それもそのはず

この方は某歯科大学の矯正科で

れっきとした矯正専門医が治療した患者さんです。

ここまではよく矯正医のホームページに出ている写真です。

では

どんなお顔になったのでしょうか?

 

 

ひどい頬こけと深い豊齢線が確認できます。

また咬みあわせが深くなりすぎたのか

下顎角が深くなりすぎているようで

えらが張ってしまっているのも観察できます。

さっきは良いかみ合わせと言いましたが

もう一度歯の写真をご覧ください

犬歯の頭そしてその後ろの歯が

ほとんど平らになってしまっていると思いませんか?

上下とも奥の歯が

極端に擦り減っています。

左側の上の歯列の向かって右側の奥から二番目の歯

実はセラミックのインレー(歯の詰め物)がしてあるのですが

何回やっても欠けてしまうとの事。

あきらかに顎運動と

歯の咬みあわせが食い違っているのです。

歯がどんどん擦り減ってしまってセラミックインレーも割れてしまうし

歯の外側のエナメル質が抜けしまって中の象牙質が出始めてしまっています。

これは50代の患者さんではよく見られることですが

この患者さんはまだ20代の後半です。

たいてい矯正の術後写真は口腔内だけで

お顔の写真が出ることはありません。

出せないのです。

また

撮影するのはワイヤーを外したその日に撮るので

この写真のようにいろいろな不具合が起きる前に撮ってあるのです。

 

 

私と矯正歯科との出会い

 

ここで私が矯正の研究を始めたきっかけをお話ししましょう。

以前も他のブログで書きましたが

私は歯医者の技術の中で個々の歯をしっかり治す

保存と言う分野が好きで

大学の保存修復科と言うところに研修生として残りました。

そこでは来る日も来る日も

歯を削ったり詰めたりしてるわけです。

個々の歯をしっかり治して積み上げて行けば

自ずとその人なりの咬みあわせになるだろう

と言うのが当時の私の考え方でした。

矯正治療はそもそもその人が成長の過程で獲得した歯と7顎運動の調和を崩してしまうので

あまりやるものじゃないだろう

と考えていたのです。

 

ですからその頃は

どうしても矯正がやりたいと言う患者さんは

矯正医に紹介していたのです。

ところがある日、変なことに気が着きました。

矯正医に送った患者さんが誰も返信されて来ないのです。

まあそのうち矯正治療完了の報告とともに帰ってくるのだろうと思っていましたが

ついに矯正に送った患者さんが返信になることはありませんでした。

また、臨床を重ねるうちに

抜歯矯正をした患者さんに

いろいろな不具合が生じていることにも気が着き始めます。

要するに返信しないのではなくて

できないのだと思うようになりました。

 

その一番の原因は

顔だちの変化でしょう。

 

顔だちの変化とスケルタルダイアグラム

 

前回書いたブログのグラフ

ジェファーソンアナリシスから作られた

スケルタルダイアグラムを思い出してください。

このとき上顎の値が基準線より大きければ

つまりタイプⅡAとタイプBPの場合は抜いても顔の形が大きく崩れることはありません。

この二つのタイプは矯正専門医が説明するように

拡大で歯を並べようとすれば

ゴリラ顔になります。この二つはアングロサクソンやアフリカ系の方に多く見られます。

日本人にはほぼ見られません。

日本人に多いのはBRです。

それでは何が悪いのかというと

 

抜歯矯正は白人のための技術である

 

考えてみてください。

もともと抜歯矯正はアメリカで生まれました。

アメリカにはいろいろな人種がいますが

昔矯正治療が受けられるのは裕福な白人だけでしたから

抜歯矯正とはそもそも彼らのための技術なのです。

上の顎が基準を超えて大きければ歯を抜くのもありと思われます。

しかしそもそもBRのように上の顎が小さければ

歯を抜いてしまえばもっと小さくなってしまいます。

すると症例写真の方のように深い豊齢線と頬こけが発生することになります。

つまり抜歯をするから変な顔になるのではなくて

抜く適応症ではないから抜いたら変な顔になるのです。

4抜歯をするのがいけないのではなく

4抜歯の適応ではない人に抜歯をしてはいけないのです。

そして4抜歯の適応の方は日本人ではとても少ないのです。

 

また所謂非抜歯矯正で6を後ろにずらす治療をする方もいますが

これもBRでは悪化する恐れがあります。

抜く適応ではない方を抜いてしまうとこのようになる恐れがあります。

つまりはすべて診断しだい

診断で抜いてはいけない

と出ているのに抜いてしまうからおかしくなる

正しい診断をしてそれにしだがって治療をすすめれば

良い治療結果が出せるのです。